プロのサッカー界もやはり科学的トレーニングに目かくしをされている

「身体から革命を起こす」甲野善紀、田中聡著より。
ここでのタイトルは「科学的トレーニングの危うさ」となっていた。以前甲野さんは、J1のあるチームに指導を依頼されたことがあった。そこで走り抜けようとする甲野さんを止められるかどうかを実演していた。
すると甲野さんを止めようとしてくる相手をかわして先へ行くことをやっていた。するとどの選手も甲野さんを止めることができなかったという。
そんなことからも、プロのサッカー選手もやはり科学的トレーニングに目かくしをされていると感じたそうだ。その時甲野さんが見せたのは、走ってきた相手が甲野さんの前に出てきた時に、相手の力をもらってもっと前に飛んでいくというものだったそうだ。
力を抜くでも入れるでもない、このごく微妙な状態で、釣り合いをとっていたのだ。つまりその微妙な状態というのが、科学に受け入れられないものだと述べている。

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城の石垣は、微妙に力を分散するようにバランスがとれているので崩れない・・・
「身体から革命を起こす」甲野善紀、田中聡著より。
身体は実に「微妙」な組み合わせでできているようだ。だからスポーツの上達のためには、ウェイトトレーニングで筋肉を鍛えるということが、必ずしも正しいことではないらしい。
そんなことを述べるのに、ここでは、城の石垣やアーチ状の橋を引き合いに出していた。城の石垣は、微妙に力を分散するようにバランスがとれているため崩れなかったのだ。
阪神大震災の時も、現代工法の石垣は崩れたものの、古い石垣は崩れなかったそうだ。しかし、建設省には「微妙」ということが何だかわからない。そのため、コンクリートで固めないと許可にならないようだ。
またアーチ状の橋も、上部は薄くなっている。だからといって、その部分を補強したりすれば、そこに力が一箇所にかかるため、逆に弱くなってしまうそうだ。
筋トレをして、筋肉を太く大きくすると、かえって肉離れなどの不具合が起きてくるのとにているようだ。人間の体も同様にバランスが大事だという。