結果を残す選手の多くは、決められたルーティン(習慣)を持っている

「プロフェッショナルの習慣力」森本貴義著より。
筆者は9年間、メジャーリーグのシアトルマリナーズでアスレチックトレーナーをしていた。その経験から成果を残す人には共通点があるという。それはルーティンの力だった。
それまでのルーティンといえば、単なる決まりきった作業の繰り返しというイメージで、あまりいい意味ではとらえていなかった。しかし、ここでは決まった行動こそがいい結果をもたらすものだと語っていた。
たとえば、有名なのがイチロー選手だった。毎日同じ時間に起きて、決めた時間に食事をして、同じ時間に球場に入っていた。ストレッチに時間や夕食も毎日変わることがないようだ。
さらにバッターボックスに入る前や打席に立った時のバットを立てる動作もルーティンだった。このような同じことの習慣づけは日本人には向いているそうだ。
同じ動作を繰り返すことで、無意識に身体が動くようになるのだった。もっと身近な経験では、ラジオ体操がそうかもしれない。一度からだで覚えてしまうと、自然と次の動作に移ることができる。ただこれを毎日の習慣にするのはそうそうた易いことではない・・・な。

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ルーティンは安心と自信を生む。
「プロフェッショナルの習慣力」森本貴義著より。

森本氏自身も毎日欠かさずやっている朝のルーティンがあるという。それは起床時間、朝食、身体を動かすこと、シャワー、読書、メールチェックなどで、ランチを食べて12時半に出かけることだった。
しかも、朝ごはんは、フルーツジュースなどで軽く済ませることだった。それは健康のためで、夕食が試合が終わったあとの遅い時間にとるため、、胃の調子を整えるためだった。
人それぞれ自分の健康状態にあった食事の取り方があるのだろう。やはり仕事を万全に行うために、最善のルーティンを持つことは必要なようだ。
筆者はさらに、「ルーティンの継続は、本番に向けての心構えとなり、万全の準備がしてあるという安心を自信を生む」と語っていた。
また、ルーティンが本番のための「準備」なら、「型」は本番の手順だという。つまりイチロー選手がバッターボックスに入る時の一連の動作が「型」だった。そんなものを持てれば、安定した結果も望めるようだ。

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「小さな目標」を達成し続けることで、自信も結果も生まれる。
「プロフェッショナルの習慣力」森本貴義著より。
営業マンなら、日々、または月々の売り上げ達成が当面の目標だろう。確かに小さいとは言えないかもしれないが、それが半期、年間を通じて達成できれば、自信にもつながるだろう。
しっかりした、自分なりのビジョンをもって、創意工夫と度量を重ねた結果であれば、それはその後のノウハウともなりうる。
筆者はまた、「小さな目標達成は、日々の習慣と型づくりから始まる」とも述べていた。つまりどんなことを習慣として継続しているかが問題なのだろう。
そういえば、数年前からウォーキングの記録をつけているが、自分なりに万歩計で3000歩で1キロと換算して、日々何キロ歩いたかを簡単に○と日付けだけで記入している。
その後、ストップウォッチで自宅から最寄り駅までに要した時間も、記録するようになった。すると所要時間もほぼ予測できるようになり安心感も出てくるものだ。

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「ルーティン」にも「型」にも継続と改善が必要。
「プロフェッショナルの習慣力」森本貴義著より。
単に習慣を継続すればいいというものでもなかった。時にはより効果的なものに改善していくことも必要だったのだ。
これはスポーツ選手だけではなく、ビジネスパーソンでも同様だった。商談の際に笑いで相手の心をつかもうという人もいるかもしれないが、それも相手の性格によって内容を変えることも必要になるようだ。
ここに、ルーティン・型・小さな目標の定義について一覧表があったので、一部抜粋してみたい。ルーティン・・・本番のための準備のうち、習慣化された段取り。型・・・手順化・定型化された動作。問題発生時の作業マニュアルのようなもの。小さな目標・・・日々達成すべき、小さな目標。
これをたとえばある営業マンに当てはめてみると、次のようになっている。ルーティン・・・商談前30分は喫茶店でシミュレーション。商談後、反省事項をメモに書きだす。型・・・プレゼン構築時の一連の作業。(ストーリー作り、データの積み上げなど)。小さな目標・・・相手の期待を上回る提案をする。
引用がやや長くなってしまったが、こんなふうに、具体的に表現されると、理解がしやすいものだな。

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劣等感があるからこそ、それを克服してやろうという努力が生まれる。
「継続は、だれも裏切らない」内藤誼人著より。
つまりコンプレックスも利用次第では、やる気に転換できるという意味だった。逆から考えるとわかりやすい。コンプレックスなど感じないで、そこそこ幸せにいければ、自分を変えようとか、努力する必要性もないのだろう。
よく、ボクシングのチャンピオンになったり実業家になるような人は、子どもの頃、いじめられたとか、貧しかったという経験を持っていたりする。
ハングリー精神があるからこそ、それがバネになっているのは事実だろう。どうしたら夢が実現できるか、心身ともに限界まで挑戦し続けた結果、成功を手にすることができる。
中途半端なコンプレックスではなく、エネルギーに変えるためには、相当な決意があるに違いない。本当かどうか疑わしいが、筆者も中学生の時までは偏差値が40台だったことがコンプレックスだったという。その後むさぼるように本を読みつけているようだ。
というこことから、コンプレックスのある人は、必ずしも不幸だとは言い切れないのかもしれない・・・

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もし努力を継続する精神力を養いたいなら、まずは体力をつけることが先決・・・
「継続は、だれも裏切らない」内藤誼人著より。
打たれ強い人はみな、体育会系出身である、と述べられていたが、確かにそれは言えそうだ。人生のある時期で、本気でスポーツに取り組んだ経験が、あとでものを言うようだ。
精力的に仕事をしている営業マンは、たいていスポーツの経験者であることが多いようだ。体育会系出身者ほど精神力が強い理由は、体力があるからのようだ。
体力と精神力は密接に関係しているのだった。体力のない人は、精神力もなく、落ち込みやすくて、打たれ弱い傾向があるという。
確かに体調が悪くて、体力に自信がなければ、仕事でも強気に出ることは難しい。しかも説得力も欠けてしまうだろう。迫力ある仕事をするためには、まずは体力をつけることだった。