顧客は期待以上の価値を感じて初めて満足する。

「プレジデント」2012.9.17号より。
たまたまバックナンバーを眺めていたら、鈴木敏文氏が語っているフレーズが気になった次第。つまり、顧客の期待度は一定ではなく、どんどん増幅していくものだったのだ。
だから、従来100点満点で美味しいと感じていたおにぎりも、同じ味のままなら、売れ続けることはなくなってしまうようだ。
またよく売れたからと120点の商品を出してもそれはまた顧客にとっては慣れてしまえば100点レベルなのだろう。だからセブンイレブンでは、顧客が気がつかなくても商品を常に変化させているという。
売れ続けるためには、より高いレベルに常にバージョンアップしているということなのだろう。売れなくなる原因は同じレベルのものを出し続けているということのようだ。
サービスも同様なものと思われる。従来と同じよう質のサービスをくり返していたところで、いい接客だとは思われない。顧客にとっては当たり前のことになってしまうからだ。他にはないサービスをいかに作り出していくかが勝負の一つとも考えられそうだな。

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ものマネは絶対本物以上にはなれない。
「プレジデント」2012.9.17号より。
これも鈴木敏文氏の発言からだった。セブンイレブンの経営の特徴の一つに、ものマネは絶対にしないという鉄則があるという。
ものマネは一見楽なように見えても、常に相手の動向を気にしていなければならないことになる。たまたま成功した例をマネたとしても、さまざまな条件が異なればうまくいくとは限らないだろう。
差別化ができないというのもものマネの弱点でもあった。しかも単純な価格競争に持ち込まれるということにもなる。人の成功を見てマネしても何の進歩もないと鈴木氏はいう。
ということから、ものマネでは、トップをとることもできないし、成功はないと断言していた。長続きする経営に大事なのはものマネなどよりむしろ差別化なようだ。

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みんなが賛成することはやらない。
「プレジデント」2012.9.17号より。
鈴木敏文氏は、何か新しいことを始めようとすると、多くの場合、まわりから反対にあうという。そもそも、セブンイレブンの創業でも、各地にスーパーが進出して、商店街も衰退いているから小売業が成り立つわけはないと反対されたと振り返る。
しかし、時代が進むにつれた、コンビニはどんどんと増えて、近所になければ不便を感じるまでになってしまった。たとえ反対にあっても、信念を貫いた結果でもあった。
またセブン銀行の創業時も、ATMの利用手数料を収入源にする銀行など成り立つはずがない、と反対されたそうだ。しかし、サービス面でも是非必要だと考えていたのだ。
鈴木氏は、人が思いつかないことには、それだけ価値があると考え実行してしてきたのだ。それによって差別化ができ、結果として成功していた。
ボウリングがブームになった時、流通業からもどんどん進出していった。みんながブームに乗ることに賛成だったのだ。しかし、鈴木氏は社内でひとり反対したという。誰もがやりたいと思うのは参入しやすいからだった。みんんがやり差別化できずにすぐにブームは去ってしまった。
鈴木氏は次のような面白いことを言っている。「みんなが賛成することはたいてい失敗し、みんなから反対されることは、なぜか成功している」と。
あまり過去の固定観念にとらわれると、失敗の可能性も高いようだ。本当に挑戦する価値があるかどうかをまず、見極めることが大事だということだろう。