自分は「・・・を売る」のではなく、「顧客と生涯付き合う」ことが仕

『お客さまの「特別」になる方法』小阪祐司著より。
上記フレーズのカッコ内の“…”には“車”が入っていた。つまりこれは、ある自動車メーカー・ディーラーのナンバーワン営業の人が語っていたことだった。
彼によれば、初めて車を買って、それが他社に乗り換えられないとすれば、生涯消費はかなりの金額になるという。ところが、他社の車に変えられてしまうと一台限りになってしまう。
だからこそ、顧客を徹底的にフォローすることが大事だと考えていたのだ。彼にとっては売るという意識よりも、長く付き合うという意識を持てるかどうかがポイントのようだ。
メーカーの立場からも、顧客の流失が改善されれば、自社の利益も当選ながら上がる。それはかなりの金額になるだろう。そのフォローのし方は個人、個性で創意工夫するしかないのだろうが。それができるかどうかが能力の違いだろうな。

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絆がある相手から薦められた商品やサービスは、断られにくくなる。
『お客さまの「特別」になる方法』小阪祐司著より。
ここでの大まかなタイトルは、“絆が生む恩恵(ベネフィット)”となっていた。もし、お客さんとの間に絆ができていれば、動機づけのアプローチを行ったときの反応率が格段に上昇するという。
逆のことを考えれば、それは容易に理屈では理解できる。まったく知らない、またはあまり親しくもない人から、これがいいと言われてもあまりその気にならないだろうからだ。
筆者はこの反応率がどれくらい上昇するかを、何度か実験したことがあるという。その結果、十倍から、二十倍だったのだ。商品、サービスに同じ経費をかけ十倍売れるのはすごいことだ。
DMの例があった。絆のある顧客千人に出した場合、過去五年間取引がなかった顧客からの反応率は1〜3%だった。しかし、絆がある顧客の場合は15%の反応率とかなり高かったのだ。
もちろんまったく過去に実績のなかった、新規の顧客への反応はさらに低く、0.1%程度らしい。こんなことからも、絆は反応率や成約率に大きな違いを生むことが理解できる。

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「絆作りを行ってきて一番良かったのは、仕事が楽しくなったこと」
『お客さまの「特別」になる方法』小阪祐司著より。
筆者は“絆が生む恩恵(ベネフィット)”についていろいろと述べていたが、それを実践してきた多くの人が異口同音に発していたことが上記のフレーズだったのだ。
仕事が楽しいということは、当然ながらそれなりに成果が上がっているということを意味するのだろう。苦労ばかりで何の手ごたえもなければ、面白さを感じる余裕などない。
得意先、お客さん個人と良好な関係になれれば、絆が深まったともいえそうだ。すると、親しげに声をかけてくれたり、名前を覚えてもらえ、嬉しさにもつながる。
こんなやりとりが当たり前に行われるようになれば、仕事へのモチベーションは高まる要素でもあろう。何よりも仕事がスムーズに進むことはありがたいもの。