無心で味わえば、すぐ近くで三つ星が見つかるかもしれない。

R25」2007.12.13号より。
こう言っているのは作家の高橋秀実だった。それにしても、先月発刊された「ミシュランガイド東京2008」は大騒ぎだった。その数日前からテレビ、新聞、雑誌では特集を組むほどだった。ところが、日本人のいいクセかどうか、熱しやすく冷めやすい。もう今月に入ってからは誰もそんなことを話題にする人もいなくなってしまった。
しかし、フランス人の批評家に勝手にランク付けされたレストランは喜んだり迷惑がったり忙しい日々を過ごしていることだろう。いきなり星をつけられて、野次馬グルメが増えてそれまでの常連さんが迷惑を被っている店もあることだろう。
まあ、それはともかくとして、味覚というものは個人個人の好みで異なるものだから、外人の舌に合わなくても自分の好みに合っていればそれが三つ星のお店だと思えばいいのだろう。もともとグルメでもないし高級レストランなどには縁がないひがみかもしれないが。
たとえば、今日のお昼にはラーメンを食べたくてしょうがないと思っているときに、カタログに掲載されている三つ星のレストランの洋食を食べても満足できるかどうか。また、カレーを食べたいときに中華料理を出されても嬉しさは半減するだろう。しかもインドカレーではなくてそば屋のカレーが食べたいときもある。
猛暑の中を歩いてきた後では、さっぱりした冷やし中華そばがのど越しに心地いものだ。急いでいるときには、回転寿司屋ならお気軽に好きなものだけ味わえる。寒い冬なら家族で囲んだ鍋ものが最高だったりもする。体も気持も同時に温まる。
ここでは、筆者は自分の身近なことを話題にしていた。それは、この人の奥さんが近所のスーパーで新作の「杵つき大福」(105円)を買ってきてくれたものを食べたのだ。それは当然ミシュランとはまったく関係ないが唸るほどのおいしさだっただったという。
つまり自分が基準の三つ星の食べ物やレストランってあるかもしれない。たとえ人がなんと言おうとお気に入りの店があればそれで十分だろう。それから、味ばかりではなく新鮮、安全なども食へのこだわりかもしれないな。
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“趣味”と呼べる範囲って?
R25」2007.12.13号より。
いきなりあなたの趣味はなんですか?と訊かれて、即座に答えられるだろうか。今の自分はとくにこれといって何もないかもしれない。少し時間をおいてから、昔は(または若い頃は)○○をよくやっていたな、などと思いだしたりもするだろう。
就職時に使用する履歴書には趣味の欄のようなものがあったりする。そこには一般的には読書、音楽鑑賞、旅行、野球、水泳、サッカー、スポーツ観戦、将棋、手芸、絵画、麻雀・・・などと記入するだろう。
私はややウケ狙いも含めて、プロレス観戦と書いた覚えがある。実際その頃は、テレビで毎週欠かさず観戦していたし、スポーツ新聞やプロレス雑誌もしばしば読んでいた。また時にはチケットを購入して会場にも足を運んでいたからウソではない。またいくつかの趣味も重複してやったりもするものだ。
NHK趣味悠々』では様々な趣味やその面白さを紹介している。そのチーフプロデューサーによると、次のようなところが趣味といえるポイントのようだ。「一定期間続いているもの、長く続けていても苦ではないもの。(中略)また、そのものを通して友人が増えたり自分を磨くことができる、など段階を経て楽しいもの」らしい。
趣味は年齢によってコロコロと変わったりもするかもしれない。またそれは飽きてくるのかもしれない。趣味がどれだけ継続できるかは興味や関心の度合にもよるだろう。また、スポーツなら体力的にムリなく続けられるかも考慮すべきだろう。と、まあこんなことを書いているということでブログも今は趣味ともいえそうだが、あと何カ月先まで続くかはわからないな・・・
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門下に9人の弟子を抱える大師匠でもある・・・
R25」2007.12.13号より。
いったいこれは誰かといえば、あのおしゃべりマジックという独自の世界を創ったマギー司郎さんだった。いつの間にこんなに多くの弟子を抱える大師匠になったのかちょっと気になった次第。そういえば、たまにテレビのドラマでみると太って貫禄がついていた。いま61歳だった。
茨城なまりのとぼけたトークと手品でデビューし始めたのは『お笑いスター誕生』の頃だった。もう約25年ほど前になるだろうか。その番組からは今も活躍するお笑い芸人が誕生している。とんねるずウッチャンナンチャンもこの番組でグランプリを獲得していた。マギーさんは7週勝ち抜いていた。
マギーさんは16歳で家出同然で上京して、水商売のアルバイトをするかたわら趣味でマジックを始め、没頭していたと振り返る。その後マジックの師匠に弟子入りしていた。独自のおしゃべりマジックを確立するまでは、長い下積み生活で苦労を重ねている。全国巡業の日々に抱いた「今月も暮せてよかった」という思いは今になっても変わらないという。
彼が書いた本のタイトルは『生きているだけでだいたいOK』となっている。マギーさんの人生をひとことで表したフレーズにも思えた次第。大げさなマジックではなく、身近で親しみやすいスタイルの手品だが、テレビの中では時たま三番弟子のマギー審司が演じていたかな。(ウィキペディアによると十番弟子までの名前が掲載されていた)

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クジにでも当たったような気分・・・
「相鉄瓦版」2007.12月号より。
ややローカルな話題になってしまうが、神奈川県には相模鉄道という私鉄が走っている。本線は横浜と海老名を35分程度で結んでいる。通常は相鉄と言っている。今月で創業90周年になっていた。
ということで、今月の特集は「鉄道をめぐる物語」となっていた。前置きはそれくらいにして、上記のフレーズを述べていたのは八十歳にして今なお現役の鉄道ファンだという山田虎雄さんだった。ご自宅には趣味の資料や写真、グッズなどを所蔵するための別宅まで構えているというから、実に本格的な趣味といえる。
根っからの鉄道ファンらしく、国内の全路線(当時の国鉄、私鉄)の制覇を成し遂げていた。さらに、定年後には海外24カ国の鉄道にも乗っていた。こんな明確で楽しい趣味を継続できるのも、健康であればこそだろう。国内の全線を制覇したからといっても、鉄道や駅舎、車両は常に変わっている。どこそこの駅舎が新しくなったと聞けば、やはりわくわくしてしまうようだ。
全国の鉄道を回ってうれしいのは、予想外のことに出会ったときだという。その一例として、兵庫県にあった化学会社が母体の別府鉄道(S.59年廃止)をあげている。どういう鉄道なのか興味を持って行ってみると、そこには偶然、相鉄の古い車両が走っていたという。それを目にした時山田さんは「クジにでも当たったような気分で」写真を撮ったと振り返っている。(その写真も掲載されていた。)
その他、電車を見たり乗車したりするだけでなく、周遊券の収集も関連した趣味としている。記念周遊券などは年を経るにつれて、実に価値があるものになるだろう。そういえば、私も20代のころ、ひとり旅をしたころ、帰ってきたあとでアルバムに写真と一緒に周遊券や切符を貼った覚えがあった・・・な。