誰がほめようと誰がけなそうとどうでもよいのです。

JAF Mate」2005.12月号より。
これは、秋の野の花と一緒に書かれている星野富弘氏の詩の一部分だ。星野氏は絵手紙作家としてもよく知られている。この部分だけを取り出してみると、ちょっと相田みつをが書いた詩のようでもある。
既にご存知の方も多いが、彼は体育教師として働いている若いころ、頚椎損傷してから首から下は不自由になり絵や文字は筆を口にくわえて書いている。
どの水彩画も素晴らしいが、文字もきれいで読みやすい。私などは手で書いても、とてもこんなふうに読みやすくてきれいな文字は書けない。
この詩の次には以下のようになっている。“畑から帰って来た母が 出来上がった私の絵を見て ひと声「へえっ!」と驚いてくれたら それでもう十分なのです。”
富野氏の心がこもった素朴で飾り気のない絵や詩はどれも心にしみてきて、何度も読み返してしまう。絵の評価は自分の母だけがしてくれたら、他人になんと言われようと関係ないと思っている。そこには純な満足感があるようだ。
最近は手紙などほとんど書かなくなってしまったが、私信ではその人だけに伝わればというメッセージが含まれる。その人だけに使えたいメッセージ・・・そんなものあるだろうか、とふと考えてしまった。大事な人だけに伝えたい嬉しいメッセージがあるってけっこういいことかもしれない・・・な。