誰も知らない外国語の本を日本語に訳して世に送り出す・・・

「イートランスラーニング」2005.10月号より。
このあとに続くのは「翻訳者にとってこれほどわくわくすることはありません。」となっている。
これは、翻訳家を目指す人のための専門雑誌(テキスト)だ。背表紙には「翻訳する本を探すノウハウ」とある。
振り返ってみれば、私たちは多くの翻訳された本を通して海外の作品に触れてきた。イソップやアンデルセンの童話からシェークスピアの作品まで無数にある。最近では大ブレイクしたハリー・ポッターのシリーズもあった。
そんな外国の本もはじめに読んだ翻訳者自信が読んで感動したからこそ、私たちも読めるのかもしれない。もし、翻訳された本が国内でベストセラーにでもなれば原作者同様に、翻訳者の力の大きさも認めなければならないだろう。しかし、実際翻訳する価値のある本に出会うには、砂浜に隠されたダイヤモンドも見つけるくらい難しいらしい。
基本的には「訳したい本=自分が読みたい本」であるべきだという公式がある。ある意味「本探し=自分探し=自分の関心の確認+何を出版したいかという意識」だという。一般に自分たちが面白がって読む本も、自分が関心を持っているものに限られる。
翻訳者の感性によって、原書の魅力もかなり引き出されるのだろう。何年か前に読んだ、トム・ピーターズのビジネス書のシリーズ「サラリーマン大逆襲作戦」は3冊とも面白くて、一気に読んでしまった。それも、訳者によるものだろう。
例えば、「取り組んでいるのは“鳥肌の立つような”プロジェクト」や「それはしびれるほどカッコいい仕事」などは原文でいったいどうなっているんだろうと、思ってしまう。こんな日本語訳の表現には思わず訳者の仁平和夫さんに、心の中で拍手を送ってしまいたくなるほどだった。