「金をためるより、教養をためよ」

「金をためるより、教養をためよ」
「続・いい言葉は、いい人生をつくる」齋藤茂太著より。
これは元経団連会長の石坂泰三氏の言葉だった。氏によれば教養とはあわてて本を読んで身につける知識ではなかった。どれだけ人の心に訴える真実をもっているか、どれだけ人に好かれているかだというそう言われてみると、実に深い言葉だと思える。
ここにあるエピソードがあった。それは佐伯チズさんという美容界のスーパースターになった人だった。彼女はどうしても本を出して伝えたいことがあって、出版社にそのことを伝えたところ本を企画して出版してくれたという。
そして出版社が本の印税を支払うために銀行口座を問い合わせると「私、いくら払えばいいんですか?」と聞いたというのだ。素直に払うのは自分だと思ったようだ。
ここの部分には「成功は結果であって、目的ではない」とあった。フローベルの残した言葉だが、なるほどカネは二の次、三の次で、とにかくこれを社会に伝えたいという真摯な気持ちこそが大事だとわかる。

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贅沢な体験は、心を豊かにする。
「続・いい言葉は、いい人生をつくる」齋藤茂太著より。
ここでの贅沢とは、本物を知っているという意味だった。似通ったものは世の中に多いかもしれないが、やはり本物はそれなりの強さを放っているものだろう。
昔は「贅沢は敵だ」と言われたが、「暮らしの手帳」を主宰していた花森安治さんは「贅沢はステキだ」と言い換えたが。これは素晴らしいフレーズとして残っている。本物の価値を知っていれば、ニセモノはすぐにわかるだろう。
収入の一部を使って贅沢を経験することも筆者はすすめている。レストランも一流といわれるところに行ったことがあれば、後日それを本や雑誌で読んだときもすぐにイメージがわきやすい。また出入りする度胸もつくはずだ。
やはりニセモノを見分けるためにも人生を充実させるためにも、本物の価値あるものを手にしたり目にする体験は必要だと思われる。

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上機嫌は、人が着ることができる最上の衣装である。
「続・いい言葉は、いい人生をつくる」齋藤茂太著より。
サッカレーという人の言葉だった。
筆者の齋藤氏は「先生は、いつもご機嫌がよろしくて・・・」と会う人ごとに言われるそうだ。しかし、それは職業柄身につけたものだったのだ。
自分を上機嫌に保つコツについて2つあると述べていた。一つは、他人と比べてどうのこうのと思わないようにしていることだった。二つ目は心を暗くしてしまうことは、できるだけ忘れてしまうようにしていることだった。
つまりこの二つを身につければ、人生の悩みのほとんどは消えてなくなってしまうそうだ。それを実践している人のいうことだから本当だろう。心がけたいことだ。

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才能は神様からの「贈りもの」
「続・いい言葉は、いい人生をつくる」齋藤茂太著より。
才能があることを英語ではgiftというが贈り物と同じ言葉だった。だからいくら努力しても得られないものもあるということかもしれない。生まれつき備わっていることも多いのだろう。
齋藤氏は子供の頃から運動神経はゼロで、学校にはなじめず、友だちもつくれなかったという。成績もトップクラスではなかったという。しかし、氏の良いところは、そんな自分を嫌いにならなかったことだと振り返る。
ポイントは他人と比べてどうのこうのと思ったことはなかったのだ。すんなりと病院の後次になったわけでもなく、大学の文学部に進んだこともあったという。心を暗くすることを忘れて、目の前の仕事を黙々と自分なりに全力を尽くしてきたのだと述懐している。
自分のいいところだけ認めて、悪いところは気にしないことだった。大事なことは上機嫌を保つことだった。波乱を起こさず、穏やかな日々を過ごせるのはやはり上機嫌を意識しているからだろう。