そうあわてて白黒つけることではなかったということも、案外多い。

そうあわてて白黒つけることではなかったということも、案外多い。
「続・いい言葉は、いい人生をつくる」齋藤茂太著より。
確かに物事はスピーディーに処理することも大事なことだった。また物事によってはじっくりと時間をかけて考えることも必要なこともある。
ここに一つのエピソードがあった。自動車メーカーのクライスラーの創業者ウォルター・クライスターは、問題が発生すると紙に書き、緊急事態は別として、一週間後に見て、本当に悩むべきかどうか決めていたという。
凡人にはできないことかもしれない。実際は考えても、何も進捗しないことも多いものだ。だから、むしろ一呼吸おいて眺めたほうが、答えが自然と浮かび上がってくることが珍しくないらしい。急がば回れと同じことのようだ。

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少なくとも「三つの顔」をもつこと。
「続・いい言葉は、いい人生をつくる」齋藤茂太著より。
これは齋藤氏がおすすめしていることだった。すぐに思いつくのは、仕事の顔と家庭人としての顔だった。あとの一つは、社会的役割から離れたもう一つの「自分の顔」だった。
その顔とは趣味を楽しむことでもあった。そういえば家では妻は楽器を仲間と演奏することを楽しみ、私はガーデニングSNSを楽しんでいる。
齋藤氏は、あくまで自分の好きなことをやる顔に限定するそうだ。大事なことは、没頭できるものをどれだけたくさんもっているか、ということだった。
それが多ければ多いほど、人生は好きなことに満ち、たくさん楽しめるのだった。たくさん楽しんだ人ほど、豊かな人生を送ったことになると齋藤氏は述べている。なるほどと思える。

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プロのビジネスマンとは、言いわけがきかない生き方をいう。
「続・いい言葉は、いい人生をつくる」齋藤茂太著より。
それはプロスポーツ選手にも似ていた。成績がいくら悪くても、体調や家庭のせいにはできない。そのパフォーマンスを楽しもうとしているのは、一般の人たちだ。そんな人たちの前では、その人個人の事情などまったく関係がない。
実力や期待に応えられなければ、契約はしてもらえない。実に厳しい世界だ。サラリーマンのリストラも似たようなものだろう。
エピソードがあった。三菱財閥を起こした岩崎弥太郎は、土佐藩の浪人の子として生まれ、若い時に罪もないのに投獄されるという経験をしていた。牢のなかで、腕一本で生きている職人や知恵一つで世を渡る商人の話を聞き、武士へのこだわりを捨てたそうだ。そして商人になる決意をしたことが後の大出世の元となったそうだ。
自分の価値は自分で決めるということができる人は強いのだろう。