人の興味を惹く方法の一つに、質問から入るという方法がある。

人の興味を惹く方法の一つに、質問から入るという方法がある。
「雑談力」百田尚樹著より。
まずこの本のサブタイトルには、「ストーリーで人を楽しませる」とあった。単に蘊蓄や知識を述べるだけでなく、そこには物語が必要だということだった。
確かに、こんな話しっている?と聞かれるとなんとなく知りたいという興味がわくものだ。普段何気なく知っているつもりだったのものが、実はほとんど知らなかったりするとビックリしたりする。
そして、その答えを知った時に少しだけ得した気分になったりする。つまりさり気ない質問か入るというのも、話のテクニックだという。覚えておきたいものだ。

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常識を揺さぶるような話から入る。
「雑談力」百田尚樹著より。
意外な導入から入るというのも相手の興味を惹くものだ。相手がすでに知っていると思われることもさらに深く知っていると、話がしやすくなるようだ。
ここには一つ例があった。「地球上には、自然界で生きていけない動物が一種類だけいる」というものだった。それはカイコだったのだ。カイコは家畜化された昆虫で野生には存在しないという。
まず足の力が弱いから桑の木に止まらせても葉っぱにつかまっていることができないという。成虫になっても翅の筋肉は退化していて、羽ばたくことはできない。これでは生きていくことはできないと思われる。
人間に飼われている間に、生きる能力をすべて失ってしまったのだった。こんなことも意外な話だった。過保護は人間をダメにしてしまうことも頷ける。

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単純な蘊蓄ほどつまらない。
「雑談力」百田尚樹著より。
時どき「これ知ってる?」などといわれることもあるが、ただその知識があるだけでは大した面白味もない。やはりそこにはそれなりのストーリーがあって納得できる。
人に話す場合も、そこにエピソードをくわえて膨らませるとより人を楽しませることができるということだった。
ここには葛飾北斎の例があった。いつか別の本で引っ越しがかなり多かったということを読んだ覚えがある。88歳まで生きた北斎は生涯に93回引っ越しをしたそうだ。しかも一日に3回引っ越したこともあるというから驚きだ。
人生の最後の13年間で37回も引っ越していた。ホテル感覚というのも頷ける。住所不定だったそうだ。引っ越しの理由は部屋が汚れても掃除を一切しなかったので、引っ越しのほうが楽だったようだ。それでも名作を数多く残したのだからスゴイ。
さらに描いた作品は自分が決めた値段でしか売らなかったという。貧しくても決して値引きはしなかったそうだ。芸術家の誇りを持っていたのだ。それだけ自分の作品に自信があったのだ。

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話の面白い人は、いつでも披露できる話をいくつも持っている。
「雑談力」百田尚樹著より。
ここでのタイトルは「ストックを持とう」だった。面白い話をする人は、いつも即座にいろんな話が出てくるそうだ。つまりネタをもっているということだった。
それはピアニストが何曲ものレパートリーを持っているように、落語家がたくさんの持ちネタを持つのと同じことだった。講演者がさまざまなタイトルで話ができるのもすごい。
一度本を読んだくらいでは、覚えることは難しい。やはりしっかり覚えようとする必要があるのだ。
インプットの量を増やし、覚えることがスタートのようだ。筆者はツイッターでお気に入りのネタを集めたという。たとえば、ある男の子が番台のおばちゃんに尋ねたことだった。
「男の子はいくつになったら女湯に入れなくなるの」するとおばちゃんはこう答えたという。「女湯に入りたい、と思った時」。実に短くて笑える。
やはり話はオチや切れが必要なのだろう。
何も意識しなければ面白い話はできないものだ。筆者は100インプットして3くらいアウトプットできれば上出来だという。かなりの努力が必要だ。そういえば、先代の林家三平もネタ帳をたくさん作って努力していたことを思い出した。

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自慢話で人を感動させるのは難しい。
「雑談力」百田尚樹著より。
自慢話くらい面白くないものはないものだ。金を儲けた話、ビジネスで成功した話、持ち物自慢、知り合いに有名人がいるなどは聞かされても面白くもない。話しているほうは得意顔だろうが。
人がうまくいった話など興味もないものだ。話してもマイナスにはなっても得はしない。やはり人には嫉妬心があるからだろう。
しかし、苦労話を人のために聞かせてあげるのはためになりそうだ。こんなことがあったが、こうすればいいというアドバイスは人への参考になるだろう。
またアイデアが思いついたら、それを人におすそ分けする程度なら喜ばれるかもしれない。それが仕事のアドバイスになればプラスにもなりそうだ。
自慢話をするなら、どれだけ抑えて話すかがポイントだろうな。たとえば、自分はこんな方法でやったが、ほかにもっといい方法があるかもしれないと後で気がついたなどであれば人の参考やアドバイスになるかもしれないな。

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失敗談ほど面白いものはない。
「雑談力」百田尚樹著より。
やはり人に話して笑ってもらえるのは、自分の失敗談だろう。ドジった話は最高の雑談ネタだったのだ。皆を喜ばせるにはこれば一番らしい。
失敗談なら人は素直に喜べるという。肩がこらなくていい。確かに恥ずかしい話や失敗を話すには度胸も必要だ。それを笑いに変えて話せるかどうかがポイントだろう。
聞いている人が思わずクスッと笑ってしまうくらいおかしいのだベストだった。笑える失敗談でなければ面白くないという。
だから本当の悲劇ではダメだった。また言い訳や恨み言は避けるべきだった。失敗談はあくまで明るくなくてはいけなかったのだ。
ここでの最後には、自分の人生を振り返って、面白い失敗を探してみましょう、とあった。それを面白いエピソードに変えてみることがポイントだろう。筆者は、失敗を笑いに変えることができるのは、人間の成長の証なのではないかと思っているそうだ。それは言えそうだ。