キラーカードは天から降ってはこない。

キラーカードは天から降ってはこない。
「たった一人の熱狂」見城徹著より。
まずキラーカードという言葉はふだんあまり耳にしない。つまりこれは一撃必殺の効果を持つ最強のカードという意味だった。仕事でこれを持っていれば、相手に対して有効に使うことができる。
しかし、それはそんなに容易く手に入るわけはない。苦労や努力を重ねて初めて身につけられるものだった。かつて見城氏にとって、それは「一冊の本を作れる」ということだった。若いころ、新宿御苑にある雑居ビルに公文数学研究会という看板を見つけたのだ。そして、『公文式算数の秘密』という本を出版すれば最低3万部は売れると思ったという。というのも会員だけも5万人いたからだ。
公文には5万人の会員と独自のノウハウというキラーカードがあった。見城氏はそれを本にするというキラーカードをぶつけ合って出版したら、30万部以上のベストセラーになったのだ。キラーカードを持ち圧倒的努力を重ねた結果だった。
最後「努力に努力を重ねた生き方の集積が、一枚のキラーカードになり、それが10枚貯まった時に初めて人はあなたに近づいてくる」という。

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癒着に染まれ。
「たった一人の熱狂」見城徹著より
普段なじみがないこんな漢字は読めてもなかなか書けない。意味は、「本来関係あるべきでない者同士が深く手を結び合うこと」とあるらしい。悪い意味で使われることが多い。しかし、見城氏は仕事を成功させるためには非常に重要な要素だと指摘している。
常にギブ・アンド・テイクであるべきだという。そして、パートナーとして長く癒着の関係を保つためには、キラーカードを何枚も手元に持っておかねばならいのだった。
癒着の人間関係を批判するのは、本当の人間関係を理解しない者のやっかみであるという。なるほどと思えた次第だ。
また、人脈は一朝一夕でできあがるが、癒着はそう簡単には成立しないようだ。

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感想を伝えることは、人間関係の最初の一歩だ。
「たった一人の熱狂」見城徹著より
感想はもらえば、嬉しいものだ。そこからさらに人間関係も発展していくことも多い。感想はしばしばコメンントともいわれる。FBでもコメントをもらえれば、その人に親しみを感じられる。
しかも大事なのはスピードだった。かなり時間が経ってからでは、間が抜けていて感動もない。誠意があればやはりスピード重視だろう。
見城氏はかつて、林真理子に対して「あなたは小説を書くべきだ。それだけの膿を体内に溜め込んでいる。それを切開すれば必ず直木賞を取れるはずだ」と言ったそうだ。そして、その言葉を機に濃密な二人三脚が始まり、やがて直木賞を勝ちとったのだ。すごい洞察力を感じる。
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GNOを大切にしない人間は、何事もうまくいかない。
「たった一人の熱狂」見城徹著より
GNOとは義理、人情、恩返しのことだった。氏は仕事でも人生でも最も大事だと述べている。常に念頭に置いて仕事をしているようだ。
相手の心をつかみ、いざという時に力になってもらうにはどうすればいいか、と氏は考えている。それには「あの時良くしてもらった」「お世話になった」と相手に思ってもらうしかない。
それには、普段からの心構えで人間関係をよくしておくことが大事なのだろう。いきなりお世話するより、コツコツを小さな親切をしておくことが大事に思える。