教養とは引用の根元を知っていること。

教養とは引用の根元を知っていること。
『人生を変える万有「引用」力』齋藤孝著より。

なんと日本が世界に誇る「源氏物語」でさえ、中国の文章を引用して、さまざまな形でアレンジしているということだった。そして、その「源氏物語」もさらに、引用されて多様な作品が生まれているという。
やはり本当に価値がある作品は引用されるものなのだろう。引用の元を知ることは知識も増えて教養につながっている。
欧米圏なら、「聖書」が絶対的な引用の大元だった。それを知らずに話していると、知的教養を疑われるらしい。
普段から引用しようと思っているかどうかで、インプットとアウトプットの質さえ違ってくるのだった。それを人に話すことで定着するようだ。

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毎日毎日、少しでも「創造的な仕事をする」ことを心がけていく。
『人生を変える万有「引用」力』齋藤孝著より。
これは稲盛和夫さんの「働き方」という本からのワンフレーズだった。「たとえ、一日の進歩はわずかでも、十年もたてば、とてつもない大きな変化が生じる」、と続いていた。
いくつもの大事業を成し遂げた稲盛さんの言葉には、耳を傾けたいと思うものだ。単純な繰り返しの中にも、ちょっとした工夫で、クリエイティブなものはいくらでも生まれるようだ。
氏の有名な言葉には次のものもあった。「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」。覚えやすくわかりやすい。ポイントは計画だけは楽観ではいけなかったのだ。慎重にやらないと失敗してしまうからだ。

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素直さは人を強く正しく聡明にする。
『人生を変える万有「引用」力』齋藤孝著より。
これは、松下幸之助さんの「道を開く」からの引用だった。この本なら40年くらい前にも読んだことはある。しかし、覚えている言葉はほとんどない。
特別難しいことでなく、当たり前のようなことが書かれているが、それが松下氏の言葉だということが重要なのだろう。シンプルでしかも深みのある言葉かもしれない。

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作業時間は短ければ短いほどよい、という概念を持つ。
『人生を変える万有「引用」力』齋藤孝著より。
ここでの引用も松下幸之助さんの「道を開く」からだった。そこには、次のように述べられていた。「額に汗して働く姿は尊い。だがいつまでも額に汗して働くのは知恵のない話である」と。
つまり、いつも同じ時間をかけてやるのは、意味のないことで、工夫して少ない時間で、今まで以上の成果を上げることが大切だという。実にその通りだと思える。
言葉を変えれば、楽をする工夫をせよということになっている。それはある意味無駄を省くということだろう。
短い時間でこなすためにスピードを上げることも必要だった。また筆者は、仕事ができる人ほど、たいてい仕事が速いともいう。しかも、内容も伴っていることが必須だろう。

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ギャランティの安い仕事こそ喜んでやれ。
『人生を変える万有「引用」力』齋藤孝著より。
論語」(孔子)では、「主君に仕えるには、その仕事を大事にして、給料のことは後回しにする」と述べられているそうだ。
むしろタダまたは安く仕事をすることで、仕事が入ってきて経験を積むことができるからだったのだ。この仕事が面白いから引き受けるということも大事らしい。見返りは度外視しることも必要だったのだ。
報酬ばかりにこだわると、仕事は広がっていかないということらしい。確かに給料のことなど念頭になく、仕事をしているときのほうが楽しいものだ。しかも成果が上がることも多い。