文学とは、正解が「ない」というのがいいところでもある。

文学とは、正解が「ない」というのがいいところでもある。
「人を動かす文章術」齋藤孝著より。
小説を読んでいて、最後に結論がはっきりしていないものがよくある。しかし、それがある意味余韻となって印象に残る場合も多い。
単なる善悪だけではなく、話の深さを味わうことも醍醐味なのだろう。つまり人間がしっかり描かれているかどうかが、小説家の力量だというが、なるほどと思える。
人間をどう描けるかが大事なことだった。人間の生きざまが、あらゆる出来事や言葉で表現できている作品ほど評価が高いといえるのだろう。
作者の経験や考え方の深さがどれほどあるかで、話にも深みがでてくるのだろう。それは誰にでも容易にできることでないからこそ、プロは一味違うといえそうだ。

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その本から、気の利いたセリフを一つ取り出せたら上出来だと考えている。
「人を動かす文章術」齋藤孝著より。
筆者は、本というものに対してあまり過大な期待を持ってはいけないと述べている。そこで、おみやげを一つ持って帰れれば上出来だという。
ここでの、おみやげ(=気の利いたセリフ)という表現は実に面白い! しかも、その一つのセリフで、文章が一本かけたら、おトク感があったと思っているそうだ。
確かにそうかもしれない。今書いているフレーズもそうだ。ちょっと気になったフレーズが見つかったら、それについて書いているだけで、一日の日記にもなるからだ。
なかなか一冊の本を読んだとしても、印象に残る言葉に出合うのは容易ではない。むしろ、小説よりも自己啓発の本のほうが、気になるフレーズは多い。やはり、小説だと話しにのめりこんでしまうからだろうか。

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思い切り人のふんどしで相撲をとりまくる。
「人を動かす文章術」齋藤孝著より。
これは、文章術というものに関してのことを言っている。もし、小論文をかくという場合、それなりの引用があれば説得力も増すからだった。ある意味客観的な意見ともなる。
むしろそれが引用されることで、読み手にはホー!と驚かせることもできる。それはいい意味での驚きだった。むしろ強引な引用でも内容にふさわしければ評価されるようだ。
筆者の採点の経験では、全体の八割の小論文は「平凡」で、うち二割は正直ひどいレベルだそうだ。
非凡と呼べるのは上の二割程度だったのだ。「光っているな!」と感じさせる小論文は、ここのゾーンに入るのだった。やはり、日常でもこれを目指したいものだ。
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気づきの瞬間、意味が生まれた瞬間とは祝福すべきもの。
「人を動かす文章術」齋藤孝著より。
気づきとは、発見でもあるのだった。もし課題を与えられて当たり前の意見しか書けなければ、何の印象も残らない。誰もが同じような意見だったら意味がないだろう。
むしろ独自の意見があれば、それをどう表現するかが大事だった。新しい意味を見出すというのが、書いて発表するための目的だろう。
ほかの人が気づいてないような部分を取り上げて書いていくというのも大事なことだろう。つまりどこにスポットを当てるかということだ。
たんなる賛成、反対、善悪ではない部分にどんな意味合いを見出せるかということもポイントかもしれない。光る文章はやはり深い考えがないとできないことだ。

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他人とは違う「角度」でものを見る。
「人を動かす文章術」齋藤孝著より。
これも小論文を書く際のポイントだった。無難にありきたりの表現で、小さくまとめてしまってはいい評価は得られないようだ。
一発勝負をかけてみるくらいの意気込みが必要だった。それには、普通のことは絶対書かないぞ、という覚悟の練習が必要だと筆者はいう。
そういえば、フェイスブックの場合でも写真やコメントも同様だろう。人と同じようなモチーフを撮っても、どこか訴えるものが異なると面白味がでてくる。
会話でも人とは違う角度でものをいえると、気持ちがいいことだろう。筆者は、「書くという行為はすべて、他人とは違う角度をつけることである」と語っている。なるほどと思えた次第。

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一緒にいて楽しい人になる。
「明日は心でできている」小山薫堂著より。
筆者は、「どんな人になりたいか」と聞かれた場合、「一緒にいて楽しい人」になりたいと答えるという。たしかに、それはいい答えだろう。
また実際にそうなるためには、自分がなにが楽しいかを知ることが先かもしれない。やはり一緒にいて楽しいと思える人は、ポジティブな人だろう。
逆なことを思い浮かべればわかりやすい。かつて、やたら人や物事の批判ばかりする人がいた。やはり、そんな人とは長くはつき合いたいとは思わない。
筆者はポジティブに生きるのは、自分のためではなく人のためだという考えらしい。たしかにそうとも思える。

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プレゼント体質のすすめ。
「明日は心でできている」小山薫堂著より。
これ自体が面白い表現だ。誰もプレゼントと体質が一緒の言葉になるとは思えないだろう。しかし、これは印象に残る言葉だ。
筆者は「どうすればサプライズの達人になれますか?」と尋ねられるそうだ。もし、コツがあるとすれば、自分をプレゼント体質にすることから始まるという。
筆者は日々、無意識のうちに誰かへのプレゼントを探しているそうだ。ときには散財することもあるらしいが、それも練習の一つなのだろう。
誰に何をどうプレゼントするかを考えるだけでも、楽しいかもしれない。確かに、かつて仕事で営業をしていた時には、しばしばオリジナル粗品(=プレゼン)を作るのが楽しかった、ものだ。