段取り力」とは頭の中を整理すること。

段取り力」とは頭の中を整理すること。
「人を動かす文章術」齋藤孝著より。
最初に必要なのは、書くための「ネタ出し」だった。とにかく、思いつくワードを紙に書き出すことだった。その中で最重要と思われるワードを二重丸や三重丸で囲っておくといいらしい。
その後いくつかのグループに分けるのだ。ここには、エッセイを書く場合の段取りについて、簡単に述べられていた。
1、 ネタ出し。そのためには人との会話などもいいようだ。
2、 グループ分け。ネタを3つくらいのグループに分ける。
3、 ゴールを決める。最後の文章を考える。
4、 タイトルを決める。「つかみ」が大切。
5、 通過地点を設定する。(1がこれで「えー!」2がこれで「へぇ」結局3になる「ほう」の3つを感える)
それか書く作業に入るということだった。やはり、こんな段取りを経れば書きやすいのだろう。参考にしたいものだ。

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道徳的な結論というのは、あまりにも「凡庸すぎる」。
「人を動かす文章術」齋藤孝著より。
結論で、もし「これからは人に迷惑をかけないように生きていこうと思いました」というようなものになったら、最悪だという。凡庸すぎるからだ。
文章の結論には、もっと発見が必要だったのだ。自分の認識や発見をもっと込めるべきだった。凡庸さを打ち破るには、コツがあった。それは、「チームワーク」という手垢にまみれた概念を別の言葉に置き換えるのだった。これには、当然頭をつかうことになる。
やはりせっかく書いたものが、当たり前の結論や言葉でしめくくられてしまうと、せっかく読んできたのにがっかりするものだ。これは小説でも同じことで、当たり前の誰にでも思いつく程度の話なら読む価値もないだろう。
また、タイトルも読者の心をつかむためには、大事なことだった。それによって読もうという気持ちもまったく違ってくるからだった。ここでは、渋沢栄一の「論語と算盤」を例にだしていた。これなども興味を引くからだ。

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三段構えの論法をとにかく速く書く。
「人を動かす文章術」齋藤孝著より。
ゴールをなる結論の文章を決め、スタートとなるタイトルを決めたら、次の段取りは通過点を3つほど決めることだった。それはネタ出しの段階で選んだワードから3つ選べばよかった。
1が「これで」と説明されると最初は「えー!」という反応があるものがいいらしい。その次に「へぇ」というものがきて、最後の結論で「ほう」となって説得力がでてくればいいのだった。
筆者は結論を決めて、文章の構造を考える方法を、日本語における「解体新書的」ショックとも表現している。また、ここで面白い引用があった。それは、杉田玄白が「解体新書」を著す以前には、日本人は人体解剖を行っていなかったということだった。
ところが、イタリアのレオナルド・ダ・ビンチはそれよりはるか前に、隠れて遺体をいくつも解剖していたそうだ。だからこそ、名画「モナリザ」を描くことができたのだ。解剖経験が豊富だったから、人体の構造も筋肉のつき方も内蔵の正確な位置も知っていたからこそ、モナリザはふくよかで写実的だったのだ。
さて、明快でスピード感のある文章は、スタートとゴールを定め、通過点の駅をトントントンと3つ決めるだけで良いという。これも実に明快な説明になっていた。

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別の人間になり切って考える」という方法。
「明日は心でできている」小山薫堂著より。
これはアイデアに行き詰ったときには、「自分」という枠を飛び出すというのも一つの方法だとアドバイスしていた。ほかの誰かになり切ることができるようになるには、何度も練習してみるといいのかもしれない。
ここには、例として「まったく新しいショウユを作る」というお題があったら、もし、アップルのスティーブ・ジョブズだったら、とかなり極端なくらいの他人になり切るとあった。
さらに人だけではなく、スターバックスだったら、TSUTAYAだったらというのもありだった。それなら、ソニートヨタソフトバンク、歴史上の人物、アーティスト、デザイナ・・・といろいろと考えられる。
そう考えるとむしろ面白くなってきそうだ。自分とはまったく別の目線、思考回路で考えるというようなことは普段していないことだ。きっと今まで想像もしなかったアイデアが浮かんでくるかもしれない。

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自分を褒めて励まして、肯定していくこと。
「明日は心でできている」小山薫堂著より。
これは、自分の身の回りでいいことが起こるようになるためのまじないのようなものだろう。これは筆者が実際に体験していることだからいえるようだ。
完全な小さな自己満足でもいいのだった。人に何かをしてあげるだけではなく、虫を逃がしてやるというのもありだった。ちょっとだけ余計に寄付をしておくというのも気分が良さそうだ。
ゴミを片づけておくのでもよかった。人が見て居ないところで、そっといいことをやるのも気分がいいものだ。自己満足でよかった。
つまり、小さな「いいこと」でポイントを貯めると、筆者は表現していた。実に面白い発想だと思った次第。やってみる価値はありそうだ。
また、タイトルに戻って考えれば、自分を肯定する方法としては、継続ということも考えられる。例えば、10年以上自分の意志で、何かを継続してきたということは、ちょっとした自信にもつながるものだ。価値がゼロなら継続もしなかったに違いない。それも自己肯定といっていいだろう。