ベストを選ぶより、ワーストを避けよ。

ベストを選ぶより、ワーストを避けよ。
「1分で大切な仕事を片づける技術」齋藤孝著より。
スピーディーな判断をするために必要なことは、これもコツの一つだったのだ。ここには実際にあった典型例が示されていた。それは2009年1月に起きた「ハドソン川の奇跡」だった。まだ記憶に新しい。
ニューヨーク空港を離陸後にエンジントラブルに見舞われた旅客機が、機長のとっさの判断によってハドソン川に不時着し、すべての乗客・乗員を無事に帰還させた出来事だった。
このままでは墜落すると判断したものの、大都市の上空ということで、被害も甚大になる。そこで、ベストではないもののワーストを避けるため、ハドソン川に、しかも川の流れに沿って着水という判断をしたのだ。
機長が機体の異常に気づいてから着水までわずか3分程度だったという。こん冷静な判断力ができるのはプロ中のプロだったからだろう。これが、C.イーストウッド監督によって映画化されるが、ぜひ観たいものだ。

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プレゼンは15~20分もかけるのではなく、1分で終わらせるべき。
「1分で大切な仕事を片づける技術」齋藤孝著より。
しばしば、会議などで話し始めると前置きが長い人がいるが、結局何が言いたいのかわからないことばかりだ。だらだらとした話はわかりにくい。
ここでのタイトルは、「1分で聞き手の心を揺り動かすプレゼン革命を起こせ」だった。まさにそれは必要なことだろう。
学校の授業でも、とりわけ重要なのは冒頭の1分だという。そこで、授業内容の概要を説明し、生徒の心に食い込むようなツカミがなければ、その後の授業はグズグズになってしまうという。つまりなんとなく授業に入るのはNGだった。
大事なのは、興味や意見を引き出す、とっかかりをどれだけつくれるかが勝負だったのだ。

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世の中はアイデアの原石で満ちている。
「1分で大切な仕事を片づける技術」齋藤孝著より。
発想法で有名なのはKJ法だった。キーワードをカードに記入して、分類することから、新たな価値を見出そうというものだった。
齋藤氏はポイントは2つだという。とにかく材料を多く出す。そして、どんどん派生させて(アレンジして)いくことだった。
いろいろな意見をミックスすることで、別なものが生まれる可能性が高い。大事なのはリラックスしてやることらしい。
コツは「インスパイアされよう」「自分の仕事に結び付けて、強引にネタを拾ってやろう」という意識を持続することだった。
作詞家の阿久悠さんは、「作詞するときもっとも大事なことは何ですか?」と問われた時「間髪を入れずに「時代です」と即答したそうだ。いきなりの質問でも、瞬時に答えたところがスゴイ。それは常日頃からその気持ちがあるからだったのだろう。
どんな小さなこともメモしておけば、いずれそれがどこかで結びついて、役に立つのだろう。それは貴重なデータベースにもなりえるのだった。