人間関係を新たに結び直す。

人間関係を新たに結び直す。
「定年と幸福」鷲田小彌太著より。
この本のサブタイトルには“男の老後力”とあった。なんとなく惹かれるフレーズだった。定年になれば、まわりから潮が引くように人がいなくなってゆくのだ。それを想像しただけで寂しい気もする。「去る者は日々に疎し」でもあるのだろう。自分もそうなることはわかる。
新たな人間関係を結ぶとは言っても、そうそう簡単ではないだろう。まず、自分に人間関係を結ぶに足る「魅力」が必要だった。それがなければ、人を引き留めることはできない。
また、ある意味語るべき自分の言葉をもっているかどうかでもあるかもしれない。結局大事なのは、今まで何に関心を持って過ごしてきたかでもあるのだろう。
簡単なのは仕事をして、新しい人間関係を持つというのも一つの方法でもあった。そこに面白い出会いがあればもうけものだろうが。また仕事以外でも自分が楽しめればいいのかもしれない。

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定年後仕事は趣味である。
「定年と幸福」鷲田小彌太著より。
ここでの一行目にあったフレーズで、定年後も仕事で稼ぐというのもありだった。つまりそのことで、毎日を張りをもって生きることができるということだった。それは容易に想像できる。
また高齢者は、ボランティアの対象になるよりも、ボランティアの主体になるほうがどれほどハッピーなことかわからないともあった。たしかにその通りだ。
金のために働くということよりも、自分の気持ちの張りのために働くのだろう。もし、自分の働きが対価を生むことができれば、定年後の人生も活力あるものになるそうだ。

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人はなんであれ、「もらうより与える」ほうが心地よいものだ。
「定年と幸福」鷲田小彌太著より。
前のフレーズとはかなりページは飛んではいるが、ここでもボランティアの効用について述べられていた。ボランティアをすることで学ぶことも多いという。
またボランティアは自分の喜びのためにやることでもあったのだ。確かに何かの役に立つことができれば嬉しいと感じるものだ。
いつもボランティアは自分の意志で行うものであった。誰にも強制されないところがいいのだろう。友人にも毎年何度かボランティア活動で地方に出かけているが、その行為こそがやりがいなのだろう。今の自分にはその余裕はないが。見習いたいものだ。

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定年後「暇つぶし」に最適なのは「物書き」である。
「定年と幸福」鷲田小彌太著より。
これは筆者の経験から言えることなのだろう。書くことは読むことよりも難しい。何かを書くためには読んだり、出かけたりして調べなければならない。また考える時間も必要だ。
そして、集中力がなければ書くことはできない。かなりの時間もかかるものだ。だからこそ、定年後の暇つぶしにはいいのだという考えなのだろう。確かに頷ける。
問題はそれを継続できるかどうかでもあるだろう。やはり、しっかりした目標を立てておかないと、途中で挫折してしまいそうだ。
かつて、12年間ほど毎月かわら版を書いていたことがあったが、それも読んでくれる顧客があったからだ。勤務先の部署を異動し必要もなくなったら、その気力も失せてしまったものだ。読んでもらえる対象がいなければ、継続は困難だろうな。