「駆け引き力」とは、交渉事において主導権を握る方法。

「駆け引き力」とは、交渉事において主導権を握る方法。
「落語力」立川談慶著より。
この「駆け引き力」という言葉自体初めて聞いたが、筆者の造語だった。これを高めるためにはいくつかの方法があったのだ。
1、情報収集力。・・・つまりこれはマメさの一言に尽きるという。
2、自分の強み・弱みを把握する。・・・誰にも負けないところを磨くことだった。笑顔もそれに入るらしい。
3、失敗を経験として蓄積していく。・・・筆者は前座時代に蓄積したようだ。成功談より失敗談のほうが笑ってもらえるという。
4、落ち込み過ぎない、喜び過ぎないバランス感覚。・・・失敗は確かに勉強にもネタにはなるが、それは結果に過ぎない。成功も失敗もバランスが大事なことだった。
5、目標は高いところに置くな。日々のささやかなところを目標にしろ。・・・談志師匠は天才といわれるが、裏では並々ならぬ地道な努力をしていたのだった。
こう見てくると、常に客観的に自分を振り返ってみることが大事だとわかる。

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「タイムリミットの三年で会社生活をすべて把握するミッション」
「落語力」立川談慶著より。
筆者は落語家になりたかったが、3年以内でサラリーマンをやめたら談志の弟子が務まらないと自問自答したという。そこで、3年だけは我慢しようと期限を区切ったのだ。
すると発想の転換で怖いものがなくなったという。逆にその期間に会社のことを理解しようと考えたのだ。3年たてば辞められるという気持ちがよく作用したのだろう。
残業も進んでやり、誘われた飲み会にもつきあったという。確かにそういう気持ちがあれば学べることも多いだろう。とはいっても、会社のごく一部にすぎないだろう。しかし先が見えると我慢できるというのは強い。

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厳しい現状を「未来の自分への投資」と考えてみる。
「落語力」立川談慶著より。
これは実にいい表現だと思った次第。そして、どんなことにもチャレンジして頑張って成果を出そうという気持ちになったのだろう。
こう考えれば、決して悪いけっかなどないとも思われる。苦労はすべて経験だと書き換えたのだ。こんな気持ちがあれば、サラリーマンの仕事も面白くなってきたそうだ。
これは落語家になりたい気持ちがあるのに、実に皮肉なことにも思える。しかし、人生は一度限りでやはり始めからやりたいことにかけたのだ。会社を辞めて背水の陣をとったのだろう。
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人生の目的は、人脈を作るためにある。
「落語力」立川談慶著より。
これは筆者の学んだことらしい。つまり出会った方々とのご縁を大切にするということだった。このような前向きな考え方は、いずれいい結果を残すのだろう。
氏はまた「カネもうけ」ではなく「人もうけ」とも表現していた。とくに年をとるとこれを意識した方がよさそうだ。いずれにしても、収入はほとんど年金程度になってしまうからだ。
ここでは経験から学んだ人脈の作り方について述べられていた。
1、 本業を大事にする。・・・例えば異業種交流などではなく、落語家ならそれを通じて知り合った人を大事にすることだった。
2、 非効率に訴える。・・・人との出会いというチャンスには効率化を求めてはいけないという。非効率にふるまうことで、時間を相手にプレゼントするという意識だった。談志師匠は恐ろしいほど筆まめだったという。
3、 覚悟を決める。・・・「出会いは相手の貴重な時間を奪った上に成立する行為」だと述べていた。やや難しい表現だが、その通りだ。だからこそ相手に感謝すべきだったのだ。