行動が思考を引き出す。

行動が思考を引き出す。
「行動することが生きることである」宇野千代著より。
この本のサブタイトルには、「生き方についての343の知恵」とあった。やはりさまざまな経験を積んできた作家ならではの知恵が含まれているようだ。
このタイトルのあとには、「頭で考えるだけのことは、何もしないのと同じことである」とあった。実にシンプルで分かり切ったことのようだが、つい忘れがちなとことでもあるだろう。
とくに作家は手を動かすことによって考えるという。なるほど、頭で考えているうちは、考えそのものに発展が内容にも思える。実際紙に書き出してみると、かなり曖昧だったりするものだ。
筆者は人間には2つの型があるという。行動型と熟慮型だった。宇野さんはずっと行動型で、考えついたらすぐに行動してしまう人だったと述懐している。これを書いている88歳の時でもそうだというからすごいバイタリティを感じる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
希望を発見することの上手な人は生活の上手な人である。
「行動することが生きることである」宇野千代著より。
この「希望を発見する」という表現自体が面白い。今まで出会ったことのないフレーズでもあった。宇野さんによれば、その気になれば希望は発見できるそうだ。
実に積極的で前向きな言葉でもある。あえて発見しようと思わなくても、見つかることもあるそうだ。実際に希望がみつかれば気持ちも引き締まって、充実した時間も過ごせそうだ。
希望とは何だろうか。いろいろなものに対する感謝でもあるだろう。また喜びを見つけることも入りそうだ。自分が喜ぶだけでなく、人を喜ばせることも当然ありだ。
どうしたら、人が喜ぶだろうかと考えるだけでも、希望を発見したことにもなりそうだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
自慢は自分を救う最上の方法である。
「行動することが生きることである」宇野千代著より。
これも実に新鮮な考え方だと思った次第。「自慢が自分を救う」などとは考えたこともなかった。宇野さんは自慢の種がある限り、自分では生きている積りだという。しかも、この部分に、カッコで「この私に、自慢の種がなくなることがあるでしょうか」とも書かれていたのだ。
つまり、いつでも自慢きる種は持っているということのようだ。本当に前向きな生き方考え方に驚いてしまう。また、こう考えられるのはそれまでの自身の生き方に満足しているからかもしれない。
たとえやりきれないという状態でも、平気でいればある程度平気になれるという。そして、そうなれたならそれ自体も自慢できることらしい。それが暮らし方のコツとも考えていた。
食器なども古道具屋で自分で見つけ、また創作料理を創意工夫して作るという。それを80歳になっても楽しんでいたそうだ。確かにいつも前向きに人生を楽しんでいれば、自分を救っているともいえそうだ。