「マシーン」になればメンタルをすり減らさない。

「マシーン」になればメンタルをすり減らさない。
「手抜き力」齋藤孝著より。
ここで引き合いに出しているのは漫画「ゴルゴ13」だった。これは齋藤氏の愛読書だという。主人公のデューク東郷を尊敬しているともいう。
彼はムダなことは一切しないという生き方をしていたのだ。その分請け負った仕事は100%のクオリティでやり遂げる。これがプロだった。
ムダなことはやらないことで、ストレスとは無縁になれるというのだ。だからゴルゴ13は、究極の「手抜き力」の達人と言えるそうだ。実に面白いところに気づいている。
齋藤氏も事務処理系の仕事をする場合は、「マシーン」のように取り組むことを心掛けているようだ。よけいなことは一切考えないという手抜きは有益そうだ・・・な。

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「手抜き力」があればチャレンジできる。
「手抜き力」齋藤孝著より。
2014年から1年間にわたって、齋藤氏は朝5時半からのテレビ番組のMCを務めていた。週に5日はよく見ていたものだった。いろいろな仕事を抱えて多忙にもかかわらず、早朝からの生放送は大変だったろう。
オファーを受けた時は真剣に悩み、考え抜いたというが、当然だろう。しかし、そういうチャンスは自分からお願いしても出来るわけではないから受けたそうだ。
その時は「老子」の考えにそったという。老子の思想は「無為自然」だった。つまり、何もなさぬのが一番ということで、あれこれしようと思わず自然にしていろ、という意味らしい。
そこで、流れに任せてしまおうと考えたのだ。今考えても仕方がないことは考えないことにしたそうだ。これもまた「手抜き力」だという。そういう人はやはりチャレンジ力が高いそうだ。物事をシンプルに考えることが大切だったのだ。
抜くときは徹底して抜いて、やるときは効率よくビシッとやることがポイントだった。

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プリントアウトされた資料の8割はムダ。
「手抜き力」齋藤孝著より。
とくに事務系の仕事では、念のため、とか一応と考えて、ついつい何でもコピーしてしまうものだ。それで安心をしてしまう。しかし、それらを見返すことはほとんどないものだ。
だからといって、最近は回覧もネットやメールで来るようになった。しかし、それでもそれをコピーして確認するということもある。やはりデジタルだと、あとで読み返すのが面倒というのもある。
齋藤氏は若いころ、論文を書く際にも、「念のため」にとらわれ過ぎていたという。そのため1本を書くのに2年間をかけても完成しなったという。つまり準備のための資料集めや勉強に時間を取られすぎたのだ。
その後「論文の生産力を上げる」ことに特化しようと決めたのだ。そして大事なのはコンセプトだというところからスタートしている。
大事なのは必要最小限の準備と労力だったのだ。すると8割の手間が省けて、2割の労力で論文が書けるようになったという。

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自分の「型」を決めて落とし込む。
「手抜き力」齋藤孝著より。
物事をシンプルにとらえて、余計なものや不要なことをそぎ落としていく方法が、自分の型を決めて、徹底することだった。あれもこれもと考えると、前に進まなくなってしまうものだ。自分の型はこれで行こうと決めたら、けっこう楽でもある。
ここでの例は、ヤンキース田中将大投手だった。彼が楽天に入団した時の監督は野村克也氏で、「ピッチングの原点は右打者ならアウトコース低め」だと教えたのだ。そこを徹底して練習しろと言ったのだ。
その結果2013年には24勝0敗1セーブという大記録を打ち立てて、メジャーへの挑戦ができたのだ。ストライクゾーンを分けて考えることをしなかったのが良かったのだろう。
たとえば、ブログやフェイスブックをやる際にも、自分のスタイルを決めたら、そのほうが継続しやすいものだ。今書いているこれもそうしてきたから、10年も出来たと思える。

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「後日持ち越し」をやめれば、後がラク
「手抜き力」齋藤孝著より。
仕事でもなんでも、その場で決めてしまえば、あれこれ考える必要がない。決定事項も、何が分かれば決められるのかを判断することがポイントで、それをその場で解決してしまえばいいのだろう。
たとえば、その場で関係部署の人や上司に聞けば判断できることもある。それは後で、と思ってしまうと、それ以上進展しなくなってしまう。
とにかく自分がラクになるためには、その場で見通しをつけてしまうことだった。自分の気が短いせいもあるが、「後で」とか「後日また」、となると面倒になってしまう。
日時を決める場合は早いほど、行動にも余裕が生まれ気持ちもラクになりやすくなるものだ。一番嫌いなのは曖昧でダラダラとした決め方だな。

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「雑談」はコミュニケーションにおける最大の手抜きスキル。
「手抜き力」齋藤孝著より。
一見すると、雑談はムダなことだと思いがちだが、そうではなかった。生活していく上で、必要不可欠なのが、人間関係、コミュニケーションだった。
仕事もそれができないと、なんでもないことが、スムースに運ばないものだ。逆にそれさえうまくできていれば、いろいろなことがうまくいくものだ。営業の仕事をしていれば、とくにそれを感じる。
サービス関連の仕事では信頼関係がものをいう。それがあればこそ、成果も期待できる。気心が知れあう関係になるために、効果的なスキルは「雑談力」だった。
お互いの距離がどれだけ縮められるかがポイントともいえよう。
最後の部分には、「ちょっとしたひと手間が、その後の大きな手間を省く」とあった。そのひと手間に必要なのが、雑談だったのだ。