「この世のもっとも純粋な喜びは、他人の喜びを見ることだ」
「逃げない男の生き方」川北義則著より。 
こんな言葉を残したのは、三島由紀夫だったようだ。ここでの小タイトルは、「幸せ」という言葉は男には似合わない、となっていた。
男はむしろ周囲の人を幸せにしてやる方なのだろう。志賀直哉の言葉も紹介されていた。「幸福というものは受けるべきもので、求めるべき性質のものではない」と。なるほどと思わせられた。
筆者が充実しているときは、一人でも多くの人に喜んでもらいたいという思いで本を作っている時だそうだ。これはある意味サービス精神があるともいえそうだ。
確かに自分が自主的にしたことで、人に喜んでもらえたときは気持ちがいいものだ。そんな機会をできるだけ持ちたいものだな。

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人間は何かに夢中になっているときが、輝いているときなのだ。
「逃げない男の生き方」川北義則著より。 
何かに没頭しているときは、時間がたつのも忘れてしまう。そんなときは充実した時間を過ごしていることが多いものだ。そのときは自分の年齢さえもすっかり気にしないものだ。
ところが、日本人の悪いクセを筆者は指摘していた。それは。年をとってくると、年相応に老け込むことを強要するところだった。もういい年なんだから、というやつだろう。
井上靖の言葉があった。「年齢というものには、元来意味はない。若い生活をしている者は若い。老いた生活をしている者は老いている」だった。
まあ、年相応という言葉で、禁止事項を自ら課すようなことをすると本当に年寄りになってしまうそうだから、気を付けねばな。

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人づきあいのうまくない人は「譲れない人」だと思う。
「逃げない男の生き方」川北義則著より。 る意味それは頑固者ともいえそうだ。つまらないことにこだわったりしているのもそういえそうだ。自説も時には曲げることも必要だった。結果的にそれで得することも多いようだ。
アメリカ建国の父といわれるランクリンはもともと自説を主張するような人物だったらしいが、それでは意見が通らないことも多かったようだ。そこで、「自分の意見が通らないのは、中身ではなく言い方にある」と気づいたのだ。
いくら正しいことも、人はその通りに理解してくれるわけではなかったのだ。そこに気づいてからは「・・・かもしれないですね」「・・・ともかんがえられますね」とやんわりと主張するようにしたそうだ。
すると結果的に主張、意見は通るようになったという。勝たなくても負けなければいいというふうに柔軟に考えることも必要なのだな。