現在の製品は、付加価値で売れ行きが決まるといわれている。
「心理戦で絶対負けない本」伊東明内藤誼人著より。
ここではその付加価値とは、イメージのことだという。結局大衆がそれに対してどんなイメージを持っているかで、購買意欲も変わってきてしまうのだろう。
逆に大衆のイメージをつかみ損ねて失敗した例があった。それはIBMだった。筆者はコンピュータに対して、大きさ、強さを求めていたのではないかと考えたそうだ。アメリカ人は大きな車、大きな家を好むからだった。
しかし、現代のアメリカ人はむしろ、可愛らしさ、親しみやすさを求めていたのだ。その後爆発的に広がったパーソナル・コンピュータつまりパソコンをみればよくわかる。
一家に一台のスピードで普及していった。会社の事務所では一人一台が当たり前になっている。消費者が何を求めているかを、しっかりとつかんでいないとイメージ戦略も成功しないともいえそうだ。

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「説教」ではなく「「イメージ」させよ。
「心理戦で絶対負けない本」伊東明内藤誼人著より。
これは営業に使えるテクニックだった。一般的にセールスマンは、自分の扱っている商品やサービスをどれほど素晴らしいかを話すものだ。それをいくら熱心に話しても、また理解しても実際に購買に結び付けるのは困難だ。
むしろ、顧客が自分から買うように仕向けることが大事だった。そんなことが出来れば最高だろう。そのテクニックとは、幸せな場面を想像させることだった。ただ良い結果だけを想像させるのだ。
押しつけのセールスをするよりよほど効果があるようだ。押しつけは気まずい関係になってしまう。押しつけをせず、良い場面だけを想像してもらうようにすれば、将来的な可能性を残せるという。
たとえば、ケーブルテレビに関するパンフレットを渡して説明しても、そう簡単には加入してもらえない。しかし、好きなテレビ番組だけを、自宅でくつろぎながら見ていることを想像してもらったら、追加情報を希望する人が増え、契約もたくさん取れたという。
営業では売ろう、売ろうとするほど、お客さんは引いてしまうものだ。むしろ営業マンに会って、楽しい有益な情報(商品そのもの以外の)を得られた時のほうが満足度は高いと思われる。

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一位になれることを探せ。
「心理戦で絶対負けない本」伊東明内藤誼人著より。
しばしばCMなどで、地域一番店とかシェアがトップだとか、顧客満足度がNO1というようなことをうたっている場合が多い。ある意味自慢だろうが、それはそれだけ一般大衆に信頼されている証拠だと示しているのだろう。
それなら安心できると思わせるのだ。これも一つの心理作戦ともいえる。しかし、メインのことで1位になるのはかなり大変だともいえる。そこで、筆者は別の部分で1位になればそれでもアピールできるという。
たとえば、ヒューレット・パッカード社は単なるコンピュータのプリンターでは売り出さず、「レーザー・プリンター」というカテゴリーで業績を伸ばすことに成功したのだった。
クライスラー社は自動車市場では10%のシェアを占める大企業だった。しかし、50%のシェアを占める車があった。それはミニバンだったのだ。するとお客にとってはミニバンといえば、クライスラーをすぐに連想するようだ。
個人であれば、どんな分野でトップになれるかを考える必要があるだろう。そんな人が持っていない特技があれば、個人のお客さんにもアピールできるはずだ。
蛇足になるが、数年前に私は社内で募集した川柳で「社長賞」をもらったことがある。それさえも、ネタにしてお客さんとのコミュニケーションに利用したものだった。