その道一筋ではないことの強み。
「偉人たちのブレイクスルー勉強術」齋藤孝著より。

ここではトロイの遺跡を発見したシュリーマンを引き合いに出していた。もともと学者でもなく、子ども時代に読んだ古代史に惹かれて、トロイは実在したと思いこんでいたのだ。
何百人もの学者が何百冊もの本を書いてはいたが、発掘によってそれを明らかにはしていなかったのだ。シュリーマンは、実業で勤しんで財をなして、語学を勉強して目的を達成していた。
専門的な研究者でなくても、執念があればできることもあるのだという例だろう。常識を疑うことも時には必要なのだ。
江戸後期の測量家として知られている伊能忠敬も、酒造の家業に励んだ後、五十歳で隠居していた。それから測量と天文の勉強を始めていた。日本全国を測量して歩き日本地図を作り上げていた。
とにかく夢中になって勉強してみると、何かが開けるのだろう。夢は持った方が楽しく充実した人生を送れそうだ。

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否定されたことをエネルギーに替えることができた。
「偉人たちのブレイクスルー勉強術」齋藤孝著より。
ここでは「佐伯祐三のパッション点火術」と題して書かれていた。ヴラマンクに絵を見せた時に、思いもかけないショックな言葉をかけられたのだ。つまり佐伯の描く小ぎれいな絵に駄目だしをされたのだった。
自分のスタイルはどういうものかを佐伯は考えたのだった。それは自分自身への問いかけでもあった。
その一言でようやく壁をぶち破るきっかけがつかめたようだ。
そのモチーフは日本にはなかったのだ。再びパリに渡って、パリの街頭、石壁を描くことだと気づいたのだった。わずか30年という短い生涯だったが、その後画家として名前を残すことができたのは、自分の作風を見つけられたからだった。
時には傷つくことで、新たな自分を発見できることもあるのだろう。その前にそれに対してチャレンジする気持ちがあることが条件かもしれないが。

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ストレスをうまく逃がすバランスのとれた生活スタイル・・・

「偉人たちのブレイクスルー勉強術」齋藤孝著より。
ここでのタイトルは「アインシュタインのメリハリバランス術」となっていた。世界的に有名な物理学者だったが、同時に人生の大半をバイオリンから得ている、とも語っていたのだ。
当然ながら基礎はできている。6歳から14歳までバイオリンのレッスンを受けていたからだ。とくにモーツアルトソナタが気に入っていたという。
楽しく長く幸せに人生を過ごすコツは、このストレスをうまく逃がしていくことがポイントのようだ。喜べるようなものを勉強や仕事以外でも持っていることで、心も調えやすくなるのだ。
仕事と趣味は人生を楽しんでいくための車の両輪といってもよさそうだ。心を開放する趣味はいくつか持っていたいものだな。