ヒットの条件はただ一つ、どれだけ「極端」があるか。

「憂鬱でなければ、仕事じゃない」見城徹藤田晋著より。
平凡な売れ行きの本を作っていれば、余計なストレスを負わずに済むという。しかし、見城氏はそれでは満足ではなかったのだ。
むしろ苦しさこそが仕事の本質だと考えていた。またユニクロ柳井正社長も「ビジネスは、辛くて苦しい。しかし、それは正しいということあ」と述べていた。
確かに営業をやっていた時は、そこそこの売上げならストレスも感じなくて済むが、それなりに人より多くの数字を上げようと思えば、苦労もあったものだ。
結果としてそれなりの喜びも感じられた。たまたま大きな数字があげられても、努力が少なければ喜びも大きくはない。
話を本にもどせば、見城氏が会議で出された企画を却下する時のセリフは決まっていた。「こんな本、今までにいっぱいあるよ」だった。
実にわかりやすい一言だと共感した次第。自分自身、日々の仕事もどれだけ人と違ったことをやっているかが、やりがいのバロメーターだとも感じていたからだ。

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ある所を目指して頑張るプロセスこそが、一番面白い・・・。

「憂鬱でなければ、仕事じゃない」見城徹藤田晋著より。
藤田氏の経験がいわせる言葉だった。若くして起業して成功したから、それなりの大金を手にできたことを自覚している。しかし、実際に金持ちになってみれば、金などどうでもよくなったという。
買えるものが増えたからといって、そんなものはすぐに飽きてしまうという。なんとなくそれはわかる気がする。
何ごとも自分なりに頑張るからこそ面白いのだ。簡単にギャンブルで手に入れたお金で物を買っても大事にはしないかもしれない。
会社員の場合、仕事の成果でも自分が考えた創意工夫でつかみ取った売上げなら本当に喜べる。そうでないもので、売上げが上がっても嬉しさはそれほど大きくはない。
趣味でやるようなゴルフでも、たまたま一度、もし実力以上のプレーができたとしても、本当に上達したとも言えないから嬉しさも本物ではないだろう。
練習を重ねて徐々にうまくなったことが実感できた時には、それは本物の喜びと言えるのだ。見城氏も藤田氏も多くのことを犠牲にして、辛い思いをしたからこそ会社を軌道に乗せられたのだろう。

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葛藤や苦しみのないところからは何も生まれない。
「憂鬱でなければ、仕事じゃない」見城徹藤田晋著より。
編集者としての見城氏の考えだった。過去を振り返って、角川書店というブランドにあぐらをかいていれ身は安泰だったが、それでは満足した仕事はできないと感じていたようだ。
自分をもう一度ゼロに戻したいという思いから、退社して幻冬舎を立ち上げたのだった。自ら茨の道を選んで進んでいったということになる。なかなか普通ではできないことだ。
やはりチャレンジ精神が人並み以上のものがあるのだろう。大企業というブランドの下で仕事をしてきた人は、厳しい環境に置かれると仕事ができないらしい。
中途採用しても、むしろ小さな出版社などで苦しんだ人のほうが、自力があるという。つまり彼らは格闘しなければ、得られないことを知っているからだという。
このページの最後には次のように結ばれていた。「苦しみ抜いて得られたものだけに、価値はあるのだ」と。これは、苦労しなければ、ノウハウも身につかないのと同じことだろう。

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取り返しがつかない、という意味では、やったこともやらなかったことも同じ。
「野心のすすめ」林真理子著より。
短いがなるほど、と思わせられるのは、かつてコピーライターをしてたからだろうか。さらに、林さんのモットーが書かれていた。
「やってしまった後悔は日々小さくなるが、やらなかったことの後悔は日々大きくなる」だった。これも自身の経験から生まれてきた言葉だろう。まさにコピーそのものに思えてくる。
面白そうだと思ったことなら、たとえ恥をかいてでもやってみることだろいう。彼女は今までその精神でやってきたようだ。
タイトルと似たような言葉も繰り返されていた。それは、やってしまった過去を悔やむ心からはちゃんと血が出て、かさぶたができて治っていくが、やらなかった悔しさは内出血のよう痛みが続くというようなことも述べれていた。
かさぶたとか内出血とか、実に面白い表現だと思った次第。やはり作家は言葉の使い方にも工夫が感じられるものだ。

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野心が車の「前輪」だとすると、努力は「後輪」です。
「野心のすすめ」林真理子著より。
これもまた、キレのいいコピーに思えた次第だ。かつてコピーライターをしているとき、「今のままじゃだめだ、もっと成功したい」と願っていたという。
それこそは野心であって、自分が成長していくための原動力でもあったという。当然ながら。その野心に見合っただけの努力は必要だったのだ。
だからこそ、車のように前輪と後輪の両方がなければ前には進んでいかないということだった。しかも、大事なのはそのバランスがとれていることだった。
野心と努力という車の両輪のバランスがうまくとれて進んでいるときは、健全な野心といえるらしい。これも新鮮で面白い表現だった。

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せこい人にはせこい人生がまっている。
「野心のすすめ」林真理子著より。
ここでの小タイトルは“自分に投資すると「人気」がついてくる”となっていた。別に一般の人なら人気を得ようとは思わないだろうが、話題が豊富にはなりたいと思ったりはするものだ。
人と会話していても話題が豊富だと、その場も盛り上がる。しかし、どんな話題でも盛り上がれるわけではないだろう。やはり自分が経験したことほど説得力がある。
当然貯蓄は大事なことだが、時には気前よく、観たいものを観に行ったり、自分に投資をすることは必要だと提案している。
自分への投資が、いつか実を結び会話の面白い人間になっていくという。するとお座敷がかかって、そこでまた面白い人にも出会うらしい。結果的に魅力的な人間になっていくというのも頷ける。
この部分の最後には「ここぞというときに前に進んでいくためにも、人生を豊かにしてくれるお金は不可欠です」とあった。いちいち納得してしまう。
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