何かを動かして進むことが進歩だとすれば、安易な道に進歩はない。

「考える力、やり抜く力 私の方法」中村修二著より。
筆者の中村氏記憶に残るほどの悔しい思いを二度していたのだ。それは言いかえればコンチクショーと端的に表現していた。
一つは留学中に職工のような仕事をしていては、いくら腕がよくても、いくら実績を上げても世界は研究者とは認めてくれなかったからだ。結局論文がなければダメだったのだ。
また、当時務めていた会社では実績を上げながらもボロクソに言われキレたことがあったからだった。
あとで振り返っているが、何か新しい発明をしたり、新しい発見に挑戦したりするときに、このコンチクショー精神は大切だと考えていた。
だから、ニ十世紀中には完成は不可能と言われていた青色発光ダイオードの研究論文は書いてやろうと決心したのだ。

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どん底から得たヒラメキがブレイクスルーに!
「考える力、やり抜く力 私の方法」中村修二著より。
朝から晩まで一人になって集中して考えても考えても結果がよくならなくて、どん底まで落ち込んでしまったそうだ。
そこまで自分を追い込んでしまうと、あとは這い上がっていくだけだという考えになったのだ。それは今までの経験では製品化へのパターンだったという。
落ち込んで深く深く自分に沈潜していったときに、ヒラメキが生まれるというパターンだった。それは予感のような形で現れたようだ。
実験装置を熟知していればこそ、アイデアは浮かんだのだ。文献や論文を読みあさったり、実験装置を業者に頼んで改良するだけでは無理だったのだ。
自分なりの創意工夫があってこそ成功は微笑んでくるということだった。

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成功体験しかない人に強靭な精神力は望めない。
「考える力、やり抜く力 私の方法」中村修二著より。
なるほど、それは一般の仕事にも共通して言えそうだ。失敗を知っているからこそ、その後の発展があるとも言える。
わずか1パーセントでも可能性があえば、失敗を恐れずにそれに挑戦していくという強靭な精神力が必要だった。
世界がびっくりするような仕事は、常識の範囲内で物事を考えても不可能だったようだ。むしろ常識を超えるところにこそビッグチャンスがあるという。
中村氏は非常識に賭けたからこそ、青色発光ダイオードも紫色レーザーも完成したと振り返っている。その成功で様々な国際的な学会に呼ばれるようになったのだ。当然ながら国内ではいろいろな賞を受賞していた。

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年相応に老いるなど、誰でもできるつまらないこと。
「熟年革命」渡辺淳一著より。
日本人の場合歳をとると、老人らしく静かに暮らすべきだと、外に出ず家にこもる人が多いようだ。それに対して、渡辺氏は本来、老いとはもっと勝手気ままに楽しむべきだという。
海外では老いても美しく装い、お洒落で明るい老人をたくさん見かけるようだ。日本人の高齢者ももっと外に出て自由時間を満喫すべきだと提案している。
高齢者の呼び方を変えて、「プラチナ世代」と呼ぶことを提案している。実に素晴らしい言葉に響きだった。そして、その世代の生きるモットーを誓いとして考えていた。
「われわれは世間体にこだわらず 常に好奇心いっぱいに 好きなものを追いかけ 相手と自分を誉めて お洒落で素敵な ワルになることを誓います」だった。
定年後は歳がいもなく生きることを提案していた。人に迷惑さえかけなければいいのだ。

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男女の役割分担はさらに曖昧になり、価値観もますます多様化していく・・・
「熟年革命」渡辺淳一著より。
かつての日本は基本的は男性社会だった。ところが今は女性の社会進出が目覚ましい。会社でも管理職の女性はかなり増えている。
変化への対応は男性より女性のほうが優れているらしい。そして発想も異なっているようだ。女性の視点は総じてラディカルで革新的なようだ。
その理由として、女性の肉体が一生のうちに何度も変わるからえだった。つまり体内革命が起きるからだと指摘している。
そう考えると男は保守的なのかもしれない。むしろ男性は女性の柔軟性を見習わなければならないという。頑張らねばならないな・・・

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いつも明るく前向きな人は圧倒的に健康で、元気です。
「熟年革命」渡辺淳一著より。
筆者は医者らしく自律神経についても述べていた。血管が閉じるように働くのが交感神経で、開くように働くのが副交感神経だった。
だから緊張、不安、不快なとき、つまりストレスがある時は、交感神経が優位になって、血管が狭くなり血の流れが悪くなるようだ。逆に楽しかったりのんびりとリラックスしているときは副交感神経が主導となって血管が開いて、血の流れがよくなるのだった。
当然ながら、健康のためにはどちらを重視すべきかはわかる。好奇心いっぱいに、何にでもトライすることを勧めているのは上記の理由からだった。
大切なのは気持ちのもちようだった。いつも楽しいこと、面白いこと、自分のすきなことを追いかけることが、全身の血のめぐりをよくし、健康を保つ秘訣だった。


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