想像力のないところに、知恵や工夫もない。

「考える力、やり抜く力 私の方法」中村修二著より。
これは小タイトルの部分だが、その第一行目には、「物作りの基本は、想像力にあると思う」と語っていた。想像力を働かせなて、試行錯誤をしながらものを作り上げていくことが大事だそうだ。
そして初めて創造的なものができあがるということだった。たまたま中村氏の時代の会社の状況では潤沢な資金があって、研究できたわけではなかった。つまり、いろいろなものを手作りしながらやりくりせざるを得なかったのだ。
当然ながら自分でいろいろと工夫せざるをえなくなる。結果的にはそれがよかったと振り返っている。自分で器具や装置を作れば、自分独自のやり方が編み出せるということでもあった。
自己流の研究スタイルがその後の成功につながったとも言えそうだ。逆にもし、資金も豊富だったなら、知恵や工夫もそれほどせずに済んでいただろう。しかし、それでは大成功もなかったとも言えそうだ。

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仕事に精通するほど“革新”を生む力がつく。
「考える力、やり抜く力 私の方法」中村修二著より。
発光ダイオードと言われてもあまり一般人にはピンとこない。中村氏はそのきわめて専門性の高い分野に取り組んで、努力を繰り返した結果、成功できたのだった。
途中では何度も失敗を重ねながら、ようやく莫大な金を生み出す鉱脈に行き当たったと振り返っている。これは氏の一つのことにのめり込むという性格があったからのようだ。
外の世界から見れば、専門性の高い分野のことはわからないが、それを研究している人にとっては常識的なことはいくらもあるようだ。
ここで面白い例をあげていた。それはビルの基礎工事をやる人と漁師だった。基礎工事の専門の人にとっては、一部の例外を除けばルーティンワークで行けるそうだ。
逆にそんな専門家から見れば、マグロの一本釣りは神業に近い技術だそうだ。要は、どこまでその仕事に精通しているかが問題だったのだ。
一見複雑で難しく見える仕事も、慣れている人にとっては、どうということもないのだ。考えてみれば、それは身近な仕事にも、また趣味の世界、スポーツの正解でも同様なことが言える。
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最先端であればこそ、“職人的技術”は不可欠。
「考える力、やり抜く力 私の方法」中村修二著より。
技術革新の時代では、技術の修得が第一の条件になっているという。それはある意味武器を使いこなすことと同様なことのようだ。
身近な例なら、パソコンがそうかもしれない。仕事を効率的にこなしていこうとすれば、今の時代どうしてもパソコンに頼らざるを得ない。
そして、その使用技術に精通していれば、実に仕事もはかどるに違いない。分析や集計などは手作業ではとてもかなわないだろう。
最先端の技術ではあっても、必要なのは地道に修得した職人的な技術らしい。職人技といえるほど、扱うものに精通していればこそ、ノウハウが見つかるのだろう。
上記にあげたフレーズは、中村氏の経験から強くそう実感していることなのだろう。まず大事なのはコツコツと地道な努力を重ねることだった。

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ぜったいに仕事をしてしまう「惰性の方法」
「脱力系 前向き思考法」齋藤孝著より。
これは実に気になることだった。惰性と聞けば、なんとなくあまりいいイメージはない。たんにだらだらとしてやっている感じもする。この意味するところは、一週間のリズムをつくり、ひたすら繰り返す、ということのようだ。
たとえば、齋藤氏の場合、週の前半でノルマをこなし、後半はオマケの時間にして、クリエイティブなことに使うそうだ。そして、土曜はフリーな活動日、日曜は休むということだった。
ここでの惰性は慣性の法則と考えてもいいようだ。つまりある力が加わった運動体がずっとその運動を続けていくことだった。この条件がそろえばやってしまうというイメージだ。
放っておいても、惰性で仕事をしてしまうというから面白い。
惰性運動が起こる状況をセットするのはいいようだ。たとえば、齋藤氏の場合は、喫茶店に入るとすぐ仕事をするモードに入れるそうだ。自分でも笑ってしまうという。

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「前向きになろう」ということから気持ちを離す。
「脱力系 前向き思考法」齋藤孝著より。
(前日のつづき)
こうなったら、こうしてしまう、というセットを作ってしまうと、いちいち余計なことを考えなくて済むようだ。つまり余計なエネルギーを使わなくて済むのだった。
斉藤氏は、入る喫茶店も注文するものもいつも同じにしてあるという。考えない分、スッとし仕事に入れるそうだ。これは面白いスタイルだと思えた次第。
前向き思考には、意志をできるだけ使わないというのがコツだったのだ。無理矢理前向きになろうなどと考える必要がなかった。同じパターンを繰り返すことだった。
やらねば、などと気合を入れる必要もなかった。惰性的な繰り返しをどれほど持っているだろうか。それが多いほどラクかもしれないな。
仕事とは別なことだが、朝はブログで夜はフェイスブックでコミュニケーションを図るというのも、パターン化すれば意外にも継続できるものだ。

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同時並行でやると、一つが失敗してもカバーできる。
「脱力系 前向き思考法」齋藤孝著より。
これから連想できることは、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」だった。しばしば二兎追うものは・・・と言われるが、ウサギはできれば二兎以上まとめて追ったほうが、いいいようだ。
一羽だけ追いかけて逃がした場合のショックは大きいからだった。つまり落ち込みのリスクは分散すべしということのようだ。本を出す時も、一冊だけだと売れない時のショックも大きいらしい。同時並行で出していけば、そんな余計なことも考えなくて済むようだ。
斉藤氏が作詞家の秋元康さんと話したときのことも述べられていた。ヒットするのは数十曲に1つくらいらしい。売れていないものは世間は知らないだけだという。驚きだった。
どれもこれも売れていると思えるのは、大きなヒット曲をたくさん持っているからでもあるようだ。つまり同時並行で何曲も出していたのだった。それだけの能力があるということもすごいことだ。

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一日の収支決算をプラスにしておく。
「脱力系 前向き思考法」齋藤孝著より。
これは気持ちの問題だった。いろいろなことを決める際にその基準をゆるめにしておいて、すべてプラスにするということだった。
要するに、ちょっとでもいいことがあったら、その日はプラスだと考えていいようだ。ダメなことはあまり考えてはいけないのだ。手帳に+またはOKと書けばいいようだ。
その際なにがよかったのかを、ワンワードで書ければよかったのだ。マッサージ+、とか対談上出来+でもいいようだ。いい出会いがあったら、それは++だろうか。
自分なりにプラスにできればいいことだった。温泉で露天風呂に入れてリラックスできれば最高だろう。さまざまなプラスがあれば気分的にも悪くない。
前向きに一日が終われば、気持ちよく明日に向かえるようだ。さて、今日は友人と一緒に食べたランチは値段も安くてうまかったから+だな。

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