人間は、行動した後悔より、行動しなかった後悔の方が深く残る。

『本当の幸福を得る「唯一の方法」』森永卓郎著より。
サブタイトルには、“お金に踊らされない経済学の名言102”とあった。もともとのタイトルはかなり大げさだとも思える。むしろサブのほうがわかりやすい。
上記のフレーズはトーマス・ギロビッチ(1954年生まれ)というコーネル大学の心理学教授だった。しかも経済学賞を受賞していた。
さて、上記のフレーズだが、とくに物を買う場合にはよく迷ってしまうことがある。そして、また後日にしようと思って買いそびれると、あとで後悔することもあった。
やはり欲しい商品を買い逃した後悔は、お金に換算できない。森永氏はミニカーのコレクターでも有名だが、迷った時には必ず買うようにしているらしい。もし、ダブってしまってもオークションに出せばいいという考えだったのだ。

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イデアは、熱心に働いているときに限って現れる。
『本当の幸福を得る「唯一の方法」』森永卓郎著より。
マックス・ウェーバーが残した言葉だった。何かで成功したいと思えば、その発想はまったくの無からは生まれるはずはない。
どんなことでも、夢中になってやっているときやその後にリラックスしているときに、ふと、思い浮かんだりするものだ。
それなりに努力しなければ、何も生み出すことは不可能だろう。楽をしてできることは、誰でもできることで価値はないとも言えそうだ。
イデアが浮かぶためには、新しい刺激をうけることも大事なようだ。それは仕事ばかりとは限らない。遊びも積極的にやればこそ、得るものはあるのだろう。


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予測不可能なリスクを乗り越えることで、利潤が生まれる。
『本当の幸福を得る「唯一の方法」』森永卓郎著より。
フランク・ナイト(シカゴ大学の教授・1885〜1972)の言葉だった。ハイリスク・ハイリターンとかローリスク・ローリターンという言葉は聞いたことがある。
森永氏はかつての日本にはローリスク・ハイリターンの世界が存在していたという。それはお役所や超一流企業に勤めることだった。
巨大組織に入り込んでしまえば、定年まで収入が上がり続けたからだった。しかし、それは過去のことだろう。今ではそんなことはあり得ない。どんな一流会社も倒産する危険はある。
意外なことだが、アメリカでは学歴に基づいた階級社会だったのだ。一度エリートコースに入れなかった人間は、自分で会社を作らない限り、絶対高収入を得られないという。
だから放っておいても、年収が上がる日本の企業の方が、世界的には特殊だったようだ。もし高収入を得たいと思えば、予測不可能なリスクを乗り越えねばならないということだった。