日常的にコメントを出し、文字化する。

「コメント力」齋藤孝著より。
ここではコメント力を鍛えるためにどうしたたいいかについて触れられていた。それを簡単に言えば、上記のフレーズとなっていた。
人から意見を求められて、「だいたいそんな感じでいいのではないでしょうか」というような曖昧なことでは、まったく評価に値しないというのも頷ける。
ある程度意味のあることを言えなければ価値がないということになる。それには、ふだんから練習するしかなかった。
たとえば本を読んだり映画を見たら、ひと言ふた言何かコメントを入れておくことも練習になるらしい。ツッコミでもいいようだ。しかもそれを文字にすることがポイントだった。
レーニングとしては、キーワードを文字にするということだった。そうしているうちにコメントは磨かれていくという。たとえば、ブログやFBのコメント欄を意識するのもいいかも。

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キャッチフレーズやネーミングは結晶化されたコメントと言えるだろう。
「コメント力」齋藤孝著より。
印象に残る言葉というのは比較的短いものが多い。テレビCMでも頭に残るのは短くてインパクトのある言葉だ。
コメントも同様だと言う。つまり斉藤氏は結晶化した言葉を言えるかどうかが、「コメント力」のポイントだと指摘していた。
いいコメントをするためには要約力を鍛えておくことも効果的だという。とは言ってもたんなるあらすじだけでは意味がない。
要約は誰がやっても似たりよったりで、オリジナリティのあるコメントは難しい。大事なのはその人がどう見たかのほうだった。筆者はそれを立ち場を頭に入れることで的確なコメントが可能になると考えていた。

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とっさのときにジョークが言えるのは、それだけで尊敬に値する。
「コメント力」齋藤孝著より。
つまりアドリブで気の利いた言葉を吐けるかどうかということでもあろう。それがジョークだったら実に面白い。むしろ感心してしまうこともある。
例があった、かつてカリフォルニア州知事だったアーノルド・シュワルツネッガーが知事選を戦っていたとき、観衆から卵をぶつけれたのだ。
その時彼は「奴にはベーコンの貸しだ」と言ったらしい。ついでにベーコンをよこせというシャレになっていたのだ。実に笑える。
このようにジョークを言って切り抜ける能力は、できれば持っていたいものだ。すぐにキレてしまうのとは大違いだ。はるかにインテリジェンスを感じさせる。

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コメントを言う時はまず、「平凡なことは言うまい」という意志が必要だ。
「コメント力」齋藤孝著より。
そこで、その例をいくつか実例があったので記しておきたい。元関脇の蔵間が「お相撲さんはなぜ頭にマゲをのせているんですか?」という質問に対して次のような答えをしていたという。
「さあ、あれがないとただのデブと区別がつかないからじゃないですか」これを聞いただけで大笑いしてしまいそうだ。もちろんまともな答えではないが、それだけで納得してしまいたいくらいだ。
自分が本当の答えを知らないときに使えるテクニックだった。斉藤氏は知ったかぶりをして恥をかくより、よほど知性を感じさせる高度なテクニックだと評している。
べつの例では意表をついたコメントもあった。清水次郎長勝海舟から「おまえのために命を捨てる子分は何人おるかえ?」と聞かれたらしい。
次郎長の答えは「一人もおりません。ですが、わっちはあやつらのために命を投げ出せます」だった。
一人もいないというのがインパクトがあるようだ。そのあとで、ポイントを突いた意見を吐いていたのだ。親分子分で、このために命を投げ出せるから親だというのもすごい理屈だった。こんな意表をつくコメントがいえると実にカッコイイと思える。

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自分のスタイルを押し出す。
(前日のつづき)
毒舌で有名だった落語家の立川談志がある定食屋に行ったとき、高い割にはまずくて不機嫌になったらしい。ところがその店主は色紙を依頼してきたのだ。
談志が色紙に書いた言葉は「我慢して食え」だった。これには笑える。まずいということを別の表現にしたのだ。実に彼らしいコメントになっている。しかもこれが彼のスタイルでもあった。短くてインパクトがある。
さらに別の例を抜粋してみたい。泉重千代さんが長寿世界一になった時、「好みの女性は?」という質問に対して、「年上の女」と答えたという。100歳を超えてもなおこんなジョークを言える余裕はすごいと思える。健康な証拠でもあるだろう。
そうえいば、かつて双子の長寿姉妹のきんさんぎんさんも「ギャラをどうしますか?」という質問に対して「老後のために貯金します」というのも有名だったな。ユーモアは年をとっても心がけたいものだと思った次第。