「コメント力」のあるなしが、その人物の魅力や評価となる。

「コメント力」齋藤孝著より。
コメントというとなんだか難しそうなことのように思えてしまうこともある。しかし、普段の友達同士の雑談の中でも、意識しなくてもけっこう言っていることもある。
スポーツを観戦したり、本やテレビ番組の感想なども入りそうだ。そこでありきたりの意見やコメントと述べてもつまらない。その時の一言で評価が得られるかどうかが異なるだろう。
この本のサブタイトルには、“「できる人」はここがちがう”となっていた。また筆者はかつて『「できる人」はどこがちがうのか』という本も書いていた。やはりできる人はコメント力もある人ということだろう。
斉藤氏はその本の中で、現代社会を生き抜くために必要な3つの力として、「まねる力」「段取る力」「コメントする力」をあげていた。
そして、そのコメントの中にはいい質問をするというのも含まれるらしい。会話のなかで適切な質問があれば話の内容も膨らんでくるに違いない。

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コメントは短いことが重要だ。
「コメント力」齋藤孝著より。
ひと言、ふたこ言でいかにいいことが、またはポイントをついたことを言えるかが大事なようだ。なかなかキレ味のいい言葉は見つからないものだ。
やはりふだんからの訓練だろう。テレビ番組でもコメンテイターという職種の人がいる、分野はそれぞれ専門によって大勢いるものだ。海外で戦争が始まればそれ軍事評論家などの専門のコメンテイターがテレビに登場してくる。
しばしば大学の教授などがそのコメンテイターとして登場するのは、やはり長年にわたってその分野の研究をしてるから頷ける。
誰もが「なるほど」、と思えるような短い言葉を発することができるかどうかが大事だった。つまり見方が鋭くて本質をついていることだった。

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「コメント力」は人間的な魅力の大きな部分を占めると言ってよい。
「コメント力」齋藤孝著より。
コメントといってすぐに思い出すのが、ブログやフェイスブックのコメント欄のことだ。そこには、記事を見たり読んだりして感じたままのことが書かれる。
しばしば私も書いたり書かれたりするが、確かにそこには短いが適切なコメントも書いてあることもある。たまに見当違いの個人の意見など書いていることもあった。
書いてもらって嬉しいコメントは、やはりしっかり読んだり見てくれた場合だろう。するとまたそれにすぐに返信やらお礼などを書きたくなってしまうものだ。
時にはそのコメントから忘れていたことを連想することもある。そんな時はややクリエイティブな感じにもなっている。
斉藤氏は、「コメントをしっかり言っておこう心がけていると、世の中を見る目が変わってくる」とも述べていた。それは自分の頭で考える訓練になっているからかもしれないな。

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コメントは比較して違いを言うことが一番簡単である。
「コメント力」齋藤孝著より。
いきなり何も基礎知識もないのにコメントなど言えるものでもない。やはり普段からの情報力や知識が大切だおも思える。また変化や違いに敏感になっていることも必要だと斉藤氏は指摘している。
違いがわかれば、それについて語ることもできる。以前とはどう違っているかや同類のものとの違いもある。それが指摘できればコメントになっているということだった。
世の中を見る観察眼という表現を筆者は使っていたが、コメントを言うことを意識することでそれが鋭くなるという。なるほどただボケーっと過ごしているだけではなにも言えない。
人に会った時にも、その変化に気づけるかどうかも、この後のコミュニケーションに影響するだろう。時には、気づかれて嬉しいこともあるに違いない。そこでいいコメントを言えるかどうかが大切そうだ。

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意味があるコメントとは「お得感」のあるもの。
「コメント力」齋藤孝著より。
この部分を読んで意外な気もした。コメントに得感があるとはどういうことだろう。それはコメントの中に何か一つでも新しい情報が含まれている場合だった。
つまり、「すごい」や「面白かった」などと言うよりもっと具体的に何がどう良かったかの情報だった。そんな引用ができるかどうかも大事なことだった。
抽象的な表現では「うまい」がどんな味だったかもまったくわからない。本ならどこかを引用したりセリフを覚えていられればなおよさそうだ。
コメントとして一番すぐれているのは、意味があって面白いということだった。しかし、それが一番難しそうだ。お得情報をどれだけコメントに入れられるだろうか。