創造的はアイデアというものは、だれにでも生み出せるものではない。

「思いつきを企画にする技術」板坂元著より。
サブタイトルには、“誰もがやているちょっとした工夫”とあった。ということは、ちょっとした工夫さえすればアイデアは生み出せるということかもしれない。
しかし、タイトルにあげたように、独創的なアイデアもその人の人間性と深くかかわっているらしい。創造的な人間とはどんな性格かが述べられていた。
おもに3つあった。その一番目の特徴は感受性が強いことだった。つまり感動したり、好奇心が旺盛なことが必要だったのだ。
二番目の条件は、自分に自信があることだった。自分で思ったことを最後までやり遂げる自我の強さをもっているかどうかだった。
三番目もこれとやや似ているが、一つのことを探究できる持続力や忍耐力も必要だったのだ。新しいことは、誰もが思いつくその先にしかないのかもしれないな・・・

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学ぶということは、実は知る喜びと考える喜びで成り立っている・・・
「思いつきを企画にする技術」板坂元著より。
企画はとにかく頭が柔らかくなくては進まないのだろう。一見平凡に見えることでも、切り口を変えることで新鮮に見えることも多い。
ここに例があったのは「準備中」という看板のことだった。飲食店などでよく見るが、真夜中でもかかっていることがあるが、実際は店の中には誰もいるはずがない。このようによく考えればおかしいことは周囲にたくさんあるだろう。
誰もが当たり前だと思っていることや、先入観でものを見てしまっていることも多い。知らなった知識を得るとトクした気持ちになるものだ。またそれをヒントに新しいアイデアが浮かぶこともある。
ちょっと違ったアングルからものを見るためには、総合力やイマジネーションも必要だと筆者は語っている。また、一つの事に対しても、どれだけ深くものを考えられるかも大事なことだった。

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何か一つのことに焦点を当てて読んでいくと、意外な発見に出くわすこともまれではない。
「思いつきを企画にする技術」板坂元著より。
これは“小説の独創的な読み方”という部分にあったフレーズだった。ある女性の服飾評論家が、漱石の『坊っちゃん』に出てくる赤シャツに焦点を当てて、どんな服装をしていたのかを、徹底的に突っ込んだという。
こんな視点では誰も読もうとはしないだろう。だからこそ独創的でおもしろい内容になるのだろう。そして、板坂氏も漱石の小説に出てくる灰皿について調べたことがあるという。小説の中にはタバコを吸うシーンがよくあることから思いついたらしい。
独創的なアイデアというのは、ちょっとしたものの見方で生まれるのだろう。赤瀬川原平さんは、普通ならただ通り過ぎてしまうような風景から、よく見ると変わった建物や建物の一部分をとりあげていた。
これは『東京路上探険記』という本に紹介されている。門の形だけ残った無用の門やただ上って降りるだけの純粋階段などはかつて読んだことがあった。つまらないものが面白く見えてくる。
たまには、ただ通り過ぎてはもたいないような、看板や建物なども写真に撮って残しておきたいと思う。というのも、あとでそれに気づいても、もう取り壊されて二度と見られないことも多いからだ。記憶よりやはり写真は説得力がある。

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