お客様は売り手よりも賢い。売り手の逡巡などたちまち見抜いてしまう

柳井正の希望を持とう」柳井正著より。
まずはユニクロで、ヒットした商品の共通点を考えると二つあるという。デザイン、素材、色・・・などは関係がないらしい。
まず第一は、これまでにはなかった商品だった。あったとしても、性質、価格が高くて一般の人の手には届かなかったものがヒットに結びつくようだ。
その例として、フリース、ヒートテックをあげていた。確かにこれらは爆発的なヒット商品になっていた。つまりこれらは今までマーケットになかったから、累計で1億枚以上も売れたらしい。
第二は、売る側が信じて売っている商品だった。「これを買ってください。これは絶対にいいものです」そう断言できる商品は売れるという。商品に絶対的な自信があれば売る方も力が入るのだろう。

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売ることとは常に新鮮な提案をすること、変わることにある。
柳井正の希望を持とう」柳井正著より。
ここでの小タイトルは“「売れない経験」が人を成長させる”となっていた。売れる店ばかりで仕事をしていると、商品は並べるだけで自然と売れていくという錯覚を起こすことがあるらしい。
しかし、マンネリに陥って、工夫をしなくなる店はてきめんに売れなくなるようだ。だから、柳井氏は店長には「いちばん厳しいお客様の目になって売り場を見ろ」といっているらしい。
従業員が見落とすところでも、お客様は見ているのだ。だから新しい商品を置いておかないと、たちまち色あせて見えてしまうのだ。来るたびに何か新しい発見がある店の方が楽しいものだ。
常に新規の仕事に挑戦していないと、現場の仕事は次第にマンネリ化してしまうというが、それは消費者から見ても感じることだ。売れない経験は店長を大きく育てる要素の一つと柳井氏は考えていた。

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ほんとうの人脈は、仕事を通じてしか築くことはできない。
柳井正の希望を持とう」柳井正著より。
人脈というと、なんだか自分に都合のいい人間関係だけのように錯覚している人もいるのかもしれない。しかし、そんな都合のいいことばかりはあり得ない。
人脈づくりのために、夜の付き合いに励む人もいるようだが、普通に仕事をしていてば、人との出会いもあるものだ。
柳井氏の経験からも、夜の付き合いに熱心で、立派な業績を上げたとか、すごい仕事を成し遂げた、出世した人の話を聞いたことがないという。これも何となく納得できる。
むしろ、仕事で成果を上げて「あの仕事なら、あの人」と周囲に認めてもらうことが先だと考え、自身もそうしてきたと振り返っている。

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成功者とは失敗を重ね、それでいて楽観的に前進していく人のこと。
柳井正の希望を持とう」柳井正著より。
これは柳井氏の経験から出たことばだった。大事なことは一度失敗しても、また次の成功を目指すことだった。
筆者の本のタイトルにも『一勝九敗』というのがあった。失敗と言っても致命的な失敗だけはしてこなかったのだ。ここまでの失敗なら耐えられる、と計算したうえで、挑戦して、素早く撤退してきたのだ。
そういえば、一時ユニクロで野菜を売り始めたことがあった。その時は実に思いきったことだと思ったが知らないうちにそこからは撤退していた。結局失敗だったのだ。
今やっていることより、さらにいい方法があるのではないか、と自分自身に問いかけながら、仕事をして欲しい、と柳井氏はアドバイスしていた。

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私たちは、自分の名前には敏感なのだ。
「他人を動かす質問」内藤誼人著より。
そう言えば、デパートなどのざわついているとことでも、自分の名前がアナウンスされると気がつくものだ。少し離れた席でも自分の名前が出るとおやっと気になったりもする。
この章のタイトルは「人に嫌われないための魔法の質問箱」となっていた。誰でも自分の名前だけは気になるもので、ちょっとでも間違えられると嫌な気分になる。
しかし、人に質問をするときには、なるべく相手の名前を呼びかけるのがいいらしい。いきなり「どう思いますか」といわれるより「内藤先生、○○について、どう思いますか?」と言われた方が、答えやすいらしい。
頼みごとがうまい人は、自然な形で、相手の名前をちょこちょこと呼びかけているようだ。そういえば、メールでも○○さん、と書いてあったほうが、親切さを感じたりもするな。

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ホメ言葉は相手に喜んでもらうための潤滑油のような働きをする。
「他人を動かす質問」内藤誼人著より。
ここでの小タイトルは“相手の自尊心をくすぐってから、頼みごとを切り出せ”だった。つまり相手をホメあげてから、直後に頼みごとをするのがいいようだ。
「あなたのほうがずっと上手だから、手伝ってくれないかな?」というふうに頼めば断りにくくなるようだ。頼み方ひとつで、結果の明暗が分かれてしまうのだった。
私たちは、他人にホメられるのが大好きだったのだ。そういえば、ちょっとでもホメられた人のことは長く覚えていたりもする。またいい印象を持つものだ。
お世辞だとわかっていても、やはりホメられると悪い気はしないものだ。これを人にもどんどん使ってみたいものだな。まあ、ホメるところが見つかればの話だが。


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どんなにわからない質問をされても、とにかく何らかの返事はしておこう。
「他人を動かす質問」内藤誼人著より。
たとえば、質問されても何をどう答えていいかわからい時があるかもしれない。そんな時は、知っていることを総動員しながら、何らかの返事をしておいたほうがいいらしい。
たとえそれが、全く答えになっていなくてもかまわないのだ。受験で答案用紙に何も書かなければ、ゼロだが、もし見当違いでも何らかのことを書いておけば、部分点がもらえるチャンスがあるのだ。
質問に対してわかりません、と答えるのは簡単だが、それでは全く能力がないと見られてまう。自分の得意分野に話を持っていってしまえばいいのだ。
ある意味根拠のない自信をもって臨むことも大事なのだろう。それを堂々とスピーディーにやってしまえればいいのだ。

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質問ができるようになると、自信もついてくる。
「他人を動かす質問」内藤誼人著より。
たとえ、トンチンカンな質問でも、黙っているよりは、どんどん口を開いたほうがいいというアドバイスだった。
他人に質問するコミュニケーション・スタイルをとっている人ほど自信があるようだ。よくしゃべる子どもは、将来が有望らしい。
どんなに的外れであろうとも、とにかくいつでも口を開くクセをつけるべきだったのだ。そうすることで、自信を持つことができるからだ。
外国人と英語で話をする際も、意見を述べることをしないと自身も失ってしまうようだ。たとえ、単語を並べるだけでも、とにかく口を開くことが大事だった。
この章の最後のセンテンスには次のようになっていた。「人前で恥をかくことになろうが、自分の言いたいことは堂々と主張できる人間になろう。”と。

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