忙しいと思わせることは「暇」を生み出すことにつながる。

「最強の人生時間術」齋藤孝著より。
これは筆者自身の経験からいえることのようだ。いつも多忙だと思われているおかげで、毎日意外なほど「暇な時間」=自由になる時間を持てているという。
これはちょっと驚きだった。しかし、それだけ効率よく仕事ができているという証拠でもまるかもしれないな。外の人が見ている忙しさと、実際の忙しさは必ずしも一致しないようだ。
ふだんからの時間の節約を心がけることも大事だと指摘している。たしかにだらだらと過ごせば、どんどん時間は浪費されてしまう。てきぱきと動くことで、余裕の時間も作れるのは確かだ。
具体的には、集中力を3倍にすれば、3時間かかる仕事も1時間で仕上げられる可能性もある。そうなれば、あとの2時間は自由に使えることになる。そんな時間こそクリエイティブに使いたいものだな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
若いうちに武器としてのスピードを身につけることができるかできないか・・・
「最強の人生時間術」齋藤孝著より。
このあとには、次のように続いていた。「・・・その人の生涯に使える時間が大きく変わる」と。“武器としてのスピード”という表現も面白い。つまりスピードがあるということは武器にもなるということだった。
仕事が速ければ、長い人生のかなでも、自分の時間をコントロールできるという。スタジオジブリ宮崎駿さんは、実にクオリティの高い仕事をしているが、それそ支えているのは若い頃に身につけたスピードと技術だった。
一般的なアニメーターが一日に五枚から十枚しか描かなかったのに対して、宮崎氏は五十枚とか百枚という単位で描いていいたという。手塚治虫もものすごく仕事が早いことで有名だったらしい。
ある年齢になって、すごく仕事ができる人は、例外なく仕事のスピードが速くて、それは若いときに身につけたものだったらしい。つまりスピードがあれば量がこなせる。結果的に経験値が高くなるので、質も高くなるという理屈だった。素直に納得できそうだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
上達だけが習い事の価値ではない。

「最強の人生時間術」齋藤孝著より。
次のような武田双雲氏の言葉を引用していた。「書道というのはうまくなろうというだけでは、どうしてもつまらなくなってしまう」と。さらに「うまい下手を気にせず、大胆に文字をデザインするつもりで書いてみてください」とアドバイスするそうだ。
単にうまいかどうかより、もっと面白さを実感することのほうが大事だといっているようだ。第二の人生では、頭がいいとか悪いとか、仕事ができるかどうか、などはあまり重視する必要がないというのもいい。
クオリティよりもむしろ、楽しめるかどうかを念頭に置けばいいようだ。楽しみながら長く続けられるものを見つけられれば、得をした人生ともいえそうだ。
ここで、作家の林望氏のことについても触れられていた。健康のためには運動をしたほうがいいが、わざわざジムにいくのはもったいないので、夫婦で毎日45分ほどの散歩をしているという。実に無理がなくて継続できそうな健康法でありそうだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最高のお客であれば、最高のサービスを受けられる。
「大人の作法」山本益博著より。
筆者のポリシーとしては、ものをおいしく食べるには、「食べる技術」が必要だということがあるようだ。それは単にテーブルマナーや料理ごとの食べ方だけではなかった。
料理人やお店のスタッフに対する礼儀、同行者への気配り、素材に対する理解、自分自身の体調の管理などかなり幅広いものが含まれていた。
しばしば、お客はお金を払っているから偉い、などと勘違いしてしまうことだ。サービスを提供する側も、受ける側も五分五分の関係で有るべきだったのだ。
気持ちがいいお客には、きっといいサービスをしようと思うのが普通だと思える。挨拶を考えても、知らない人でも笑顔で挨拶をされれば、気持ちがいいものだ。できれば、率先して挨拶ができればいいのだろうが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
デザート以降にもう一時間を使って食後のひとときを愉しむ。
「大人の作法」山本益博著より。
これはフランスのことだった。そして、ここで登場するのが「4つのC」だった。それらは、cafe(コーヒー)、chocolat(チョコレート)、cognac(コニャック)、conversation(会話)だった。
横道にそれるが、4つのCといえば、かつてダイヤモンドの鑑定でも聞いたことがあった。カラット(重さ)、クラりティ(透明度)、カット(研磨)、カラー(色)だった。意外にも偶然4Cだった。
さて、レストランはただ食事をとる場所ではなく、気の合う仲間と集まって、食事を通じて何時間も楽しいひと時を過ごすための場所だということを改めて気づかされた次第。
もっとも、日頃の仕事中のランチではそうそう長い時間はとれないが、できるだけ気の合う仲間と食事を愉しむということは念頭に置きたいものだ。せっかくなら少しでも楽しく、質のいい時間を過ごしたい。それも料金のうちと考えたい。