商品開発では、ターゲットになる年齢の人たちのことをよく考える。

「あのプロジェクト成功の法則」齋藤孝著より。
実際のマーケティングではこんなことは当たり前で当然なことなのだろう。ここでは映画の対象について述べられていた。ルーカスとスピルバーグでは対象としている年齢差には二歳あると言われているそうだ。
スピルバーグの場合は12歳で、ルーカスは14歳に設定しているらしい。わずか二歳がこれは人生の中で最も大きな二年間だという。小学校六年か中学校二年で確かに体の大きさもかなり違うし、遊びや考えも違ってきそうだ。
子供と少年では異なるということらしい。スピルバーグの場合『ET』、『未知との遭遇』でも出てくる主人公の少年は小学生だった。おもしろいことに対象年齢の差は、キャラクターグッズの売り上げにも大きく影響していたのだ。
スピルバーグの関連グッズは価格も抑えられ、大きな売上げは望めないが、ルーカスの方は対象年齢が上なので、より高いキャラクターグッズが売れるそうだ。このように商品開発では対象年齢を知っておくことは大切なことだった。

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自分の思いを仕事に絡めると、仕事自体がエネルギー源になる。
「あのプロジェクト成功の法則」齋藤孝著より。
ここでの小タイトルは“自分のテーマを仕事にこめる”となっていた。ここでの質問は、「ルーク・スカイウォーカーのモデルは誰でしょうか?」だった。実はこのモデルはルーカス自身だったという。名前も似ている。
映画成功の秘訣は、「自分のもっているすべて、生い立ちから含めて素材を全部使い切る」ことだと筆者は語る。つまりそうすることで、作品へのこだわりや思いこみがでるということなのだろう。
ルーカスは父と子の葛藤という普遍的なテーマを作品に持ち込んでいたのだ。自分の個人的な思い入れをうまいかたちで作品に潜り込ませるということらしい。それによって自己表現ができるというのは、やりがいも大きいのだろう。
自分の仕事にも、もし自分の得意な分野や興味深いことに関連づけてすすめられたら、楽しいに違いない。また、仕事をやる気も違ってくるものだろう。

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九年間無給で働いていた・・・
「達人に訊け!」ビートたけし著より。
この1冊は、筆者とさまざまなジャンルで活躍する達人とのインタビュー記事で構成されていた。まず興味深かったのは、雀鬼会会長の桜井章一氏だった。
上記は氏の言葉で、ある会社へスカウトされて入った時のことだったらしい。仕事をしながら無給とは驚くべきことだと思った次第。それは誰とも対等でいたかったからだそうだ。そのかわり出退社を自由にしてもらったそうだ。
こんな会社があるだけでも不思議な気もするが。普通なら無給では暮らせるはずがない。氏は特技が麻雀で、そちらの方の稼ぎがすごかったから、そんな芸当ができたのだ。
きっと普通のサラリーマンの数十倍も稼いでいたのだろう。なにしろその時でも二十年間無敗の記録を続けている時だったそうだから。
ある時は勝って数千万円のお金を紙袋にいれて電車で帰ったこともあるそうだ。世の中には桁違いの人もいるものだと思わせられる。

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負けることは気にすることじゃなくて、その後の修正力こそ大切・・・
「達人に訊け!」ビートたけし著より。
桜井氏は、自身は卓上の勝負師だが、インタビューしているたけしさんこそ、すごい勝負師だと語っていた。
確かに、「たけし」というだけで、世間ではそれがビートたけし北野武)であることをすぐに連想できるほどだ。常に勝っているイメージがある。
ところが、本人は、映画は連敗だという。最初はKO負けしてしまって、なんとかリターンマッチで勝っている感じらしい。
桜井氏は、それは「修正力」があるからだという。弟子にもそれが大切だと語っているようだ。弱点やミスしたときによく反省することも含まれるのだった。
また基本に戻るという感覚も修正力のひとつと考えていた。それが意外にできそうでできないことでもあるのだろう・・・な。

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人間というのは、結構、無駄な思考と無駄な動作を持って生きている。
「達人に訊け!」ビートたけし著より。
これは桜井氏の経験から言える言葉だった。そう言われてみれば、自分も実に無駄な時間を過ごしていることにも気づかされる。
誰も本当にそうなのだろうかと思ってしまうが。自分だけなんだか充実していない、だらだらとした時間ばかりが過ぎていくような気もしている。
桜井氏は無駄な思考をするほど、迷って、間違った方向に行きやすいと指摘している。これは麻雀を通してのことだった。要らない思考や、要らない行動を消せば、無駄なものがなくなると考えていた。
弱気とか迷いというのは、勝負の上では負けることだという。麻雀も考えないで打っていれば、迷いや弱気が消えて強くなっていくという。しかし、この境地にいくまでの修業が大変なことなのだろうな。一般の仕事にも通じそうだが。