一般に、上級者は自我関与が高い。

「上達の法則」岡本浩一著より。
まずは、この「自我関与」という言葉がふだんあまり見かけなかったので気になった。それは、その課題に本気で取り組む度合いのことだった。
そして、自我関与が高いほうが、長期記憶の形成が促進されるという。つまり逆にいえば、上級にたどりついた人達は、自我関与を高くできた人達ということになる。
そこでのポイントは、上達の喜び楽しみを味わうことでもあった。楽しいから上達する、また上達するからまたやる気も出る、といういいサイクルが回せるということだろう。
上達するためには、ふだんの生活をしながらも、一定の時間とエネルギーをたえず割いておかねばならないということも指摘している。できればそれが生活のリズムに取り入れられたらいいのだろう。

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上級者は「ながら」ができる。
「上達の法則」岡本浩一著より。
「ながら」ができるということは、負担がないということでもあるだろう。いくつかの例があった。ピアノの上級者は、かんたんな曲なら、雑談をしながら演奏できる。
さらに、英会話の上級者は、自転車をこぎながらでも会話ができる。ソロバンの上手な人も、雑談をしながら暗算をしていることがあるという。もし、中級者がそれを真似てもどちらも中途半端になってしまうのだろう。
筆者はその理由を次のように述べていた。「上級者のほうが、習熟度が進んでいるので、技能の自動化がすすんでいる。したがって、思考を介さずに実施できる技能の種類が多く・・・」と。
英文タイプの初心者はthe程度なら、自動化できているが、chrysanthemum(菊)など長い単語では、上級者ほど自動化されているという。つまり頭にあまり負担をかけなくても、自然に指が動くということだろう。
別の表現では、上級者のほうがワーキングメモリーの余裕が大きくなっているとも述べていた。つまり、だからこそ「ながら」ができるということになる。

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