上達を積み重ねていくと、ある日突然、ものの見え方が変わる・・・

「上達の法則」岡本浩一著より。
この本のサブタイトルは、“効率のよい努力を科学する”となっていた。何ごとも上達するためには、それなりの法則を会得すれば、効率的だという意味らしい。
そして、上達はたんに鍛錬の量や費やした時間だけできまるものではないという。英会話も何年やってもマスターできない人もいるし、ほんの数年やっただけでもかなりの会話ができる人もいたりする。
一芸に秀でた人は、他の芸でも優れた能力を発揮するということもあったりもする。それはやはり上達の法則が身についている可能性もあるからだろう。
どんなことでも深く上達する経験こそが大事らしい。そして、上記フレーズのような、ものの見え方が変わるような経験をすると、いままで見過ごしていたものがよく見えるようになるという。
筆者はある意味これは心理的な余裕とも考えている。確かに、仕事でもスポーツでも遊びでも、ある程度上達してくると、全体を眺められる余裕がでてきて、それがさらにいい結果をもたらすことは理解できる。

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上達の対象を持っていると、それをとおした新しい人間関係ができる。
「上達の法則」岡本浩一著より。
この項目のはじめの一行は次のようになっていた。「定年を迎えたときに、新しいことにチャレンジする気持ちを持てる人は幸せな人だと思う」と。
この時期に大切なのは、社会的関係の豊かさだという。そして、「ソーシャルネットワークの豊かな人ほど、心理的に明るく、健康状態にも恵まれた老年期も迎えることができる」ともあった。
フレーズにあげた上達の対象を持つ、ということは何かにチャレンジているかどうかということにもなってくる。できれば、それは人とかかわりあいがあるほうがいいようだ。
職業生活から解放された後で、もし何か新しい自分の可能性が見つかれば、それは大きな喜びにつながるものというのは理解できる。これは定年後の人に向けたメッセージでもあるようだ。

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自分の得意を見つける。
「上達の法則」岡本浩一著より。
もし、もともと得意なものがあれば、それは上達の大きな原動力になるようだ。もし、将棋が好きだったら、得意な戦法を見つけ出すというのも上達のコツらしい。
自分の「好き」にこだわってみることも必要だった。それはある意味自分の個性ともなっていくことも考えらる。
筆者はさらに、好きなものを決めるプロセスそのものが上達を生むということもあると指摘していた。きっとその間には、いろいろとチャレンジして、創意工夫するからだろう。
自分の得意なスタイルを確立できれば、それは別な分野でも、たとえば仕事でも生かせることもできるだろう。しばしば野球の戦法や戦術が一般のビジネスに応用できたりするのもその例だろう。

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バラは品種ごとにパテントがある・・・
「相鉄瓦版」平成25年7月1日号より。
この回の特集は「この道一筋な一芸農家」となっていた。アロエだけ、サボテンだけ、バラだけを生産する一芸に秀でた農家の方にインタビューしていた。
そして、私が気になったのは、バラだけを栽培している農家の人の言葉だった。意外に知らないことばかりで、バラは品種改良した苗屋さんには植物著作権があってパテントを有していたのだ。
この農家ではその苗屋さんにパテント料を払って、苗を購入し、育てたバラを切り花として市場に出荷したり直売していた。意外に複雑だったりするものだ。
バラにははやりすたりや人気の浮き沈みがあるという。だから、この農家では30種類を毎年栽培し続けているわけではなかった。数種類は毎年新しいものに植え替えをしていたのだ。

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美しいものを育てる陰には数えきれないほどのグチもある・・・
「相鉄瓦版」平成25年7月1日号より。
(前回のつづき)
実におもしろい表現だと思った次第。この直前には、美しいものにはトゲがあるといいますが、という言葉があった。それに引っかけたフレーズでもあった。
バラは確かに花の中でも女王といわれるくらいで、実に見栄えもする花だが、それを育てるまではいろいろと苦労があるらしい。この農家のバラは平成16年に「神奈川県花き展覧会」で最優秀賞にあたる農林水産大臣賞を受賞していた。
この農家が育てているバラには自信があるという。その理由は花がきれいなのはもちろんで、葉や茎も濃い緑色で、厚みがしっかりしていることだった。
そのような、どこにでも出しても恥ずかしくないようなバラを育てるためには、やはり手間暇がかかっているといことだった。だからその大変さで、グチもできてきてしまうようだ・・・

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