ハウツーものの本というのは過去のことをまとめている・・・

「ビジネス革新の極意」鈴木敏文齋藤孝著より。
これは鈴木氏の経験から語っている言葉だった。仕事をしていく上では、ハウツーものの本で簡単に答えを得ようと思うより、むしろ自分で考える必要があるというのが趣旨だった。
つまり、今の環境や客観情勢は過去のものとは異なっているので、必ずしも同じやり方でうまくいくとは限らないという意味だった。また、ノウハウとはいっても、たまたまその人がやったから成功したことの方がほとんどではないだろうか。
鈴木氏は、はっきりと「これだけ激変する時代には過去の事例は参考になりません」とはっきり言っている。本は趣味で勉強するくらいで、それを元に何かに役立てようとするのは間違いだとも述べていた。
齋藤氏もそれに同感していた。本を作る場合も、むしろマーケティングしても出てこないような本のほうが大きく当たると実感していた。大事なのは自分の身体感覚だったようだ。

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マニュアルは変化のスピードに耐えられない。
「ビジネス革新の極意」鈴木敏文齋藤孝著より。
前日は、ビジネスに関して、ハウツーものの本について触れたが、マニュアルにも同様のことが言えそうだ。鈴木氏は従業員やパートさん向けの教育用ビデオやマニュアルを作って欲しいという意見を聞くことがあるという。
それに対して氏はそのようなものは不要であり、むしろ有害だと考えていたのだ。マニュアル経営を全面的に否定していた。人に一律の教育を施すのはなかなか大変なことだとも思える。
齋藤氏は、仕事を覚えるためにはやはり大事なのは自分で考えながら覚えていくことだと述べていてる。マニュアルで可能なのは簡単なことだけで、仕事の中身はそれに頼っていては変化に対応できなくなってしまうようだ。
マニュアルは作る側とそれを利用する側では、考え方が異なっている場合もあると指摘している。確かにそれまでの経験や知識も異なるから、解釈も一律とは考えらない。
もしマニュアルを使う場合には、マニュアルと現実には差があることもチェックする必要がありそうだな。私は時どき、“一見完全に見えるものこそ不完全”ということを念頭に置いているが。

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送り手の自己満足から脱却して、相手の心を探っていく。
「ビジネス革新の極意」鈴木敏文齋藤孝著より。
この章でのタイトルは「過去の成功体験を否定し、新しい型を生み出す」となっていた。実にシンプルだが大事なことだとも思える。状況は常に変化していいることを念頭におかねばならないということだろう。
ここでは、鈴木氏の興味深い経験が述べられていた。かつて東販に勤務していた若い頃、「新刊ニュース」を編集していたのだが、そこには本の目録ばかりが掲載されていたという。苦労した割には、部数は5000部しか出ていなったそうだ。
鈴木氏は、「新刊ニュース」を読む人は本をよく読む人だと考え、それならむしろ息抜きが必要だと感じたという。そこで、目録はぐっと減らして、ショートショート、や風刺漫画、著者インタビューなどと入れてみたのだ。
すると13万分となって、赤字どころか黒字に転換してしまったという。つまり本をよく読む人には、目録がたくさんあればいいという思い込みは送り手の押しつけだったのだ。相手の立場に立てば、むしろ息抜きが必要だったことがわかる。
こんな教訓は小売業に移った場合でも同じように考えられるのだろう。常に売り手側の論理が通用していたというのは、かなり昔のことだったのだろうな。大事なのは、買う側のお客様がその商品にどのような価値を見出すかどうかだった。

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こだわりをもっている生産者の熱い言葉は、お客さんの感性によく響くことが多い。「そうそう、これが欲しかった!」小阪祐司著より。
たまたま数日前からマーケティング関連の話題になってしまった。しばしばスーパーの野菜や果物売り場にいくと「○○さんが作った野菜」とか生産者の顔写真がその商品の近くに置かれているのを目にする。
それを見るとこの名前の人が丹精込めて作ったものとわかる。しかも顔写真があることで責任の所在が明確になり、自信さえも感じられる。しかも、その作った思いが込められた一言があればなさら説得力もありそうだ。
ここでは、生産者が書いた直筆の手紙(それにはこだわりが書かれている)をそのままの状態で公開した例があった。お店の人が読み心を動かされるものは、お客さんの心を動くのではないかと考えたそうだ。
やはり、それは商品を作る側の気持ちがストレートに伝わって結果をもたらしたようだ。そこには「なぜ」この商品にこだわって作ったがが書かれていたそうだ。

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