スタイルを関数としてとらえる。

佐藤可士和の新しいルールづくり」佐藤可士和齋藤孝著より。
齋藤氏はさまざまなものにはスタイルが存在するという。たとえば、自分のスタイル、会社のスタイル、商品のスタイル・・・など。そのスタイルは場合によってはコンセプトにも近いようだ。
齋藤氏はまた、「変形のしかたに一貫性がある」という考え方が、関数の考え方だと説明している。これまで関数と言えば、数学でのことだとばかり思っていたが、そうでもなかった。
これを聞いて佐藤氏も、意外だと思ったらしい。関数とはy=f(x)というもので、、そのfに注目することだった。このfは「○○変換」ということだった。
つまりあるスタイルがあると、そのスタイルなりの変換が起こることになる。齋藤氏はたとえば、「ゴッホ変換」なら、世界全体が黄色くて、ゆがんでいて、あの太陽がギラギラするみたいな感じになる、と説明していた。
そして、もしfが「佐藤可士和」だと、みんな)整理されて)シンプルになってしまう、などとたとえているのも面白い。つまり物そのものより、変形のしかたであるfがポイントだとわかる。
この関数を技化するといろいろと応用ができるようだ。もしそれができるようになれば、関数はルールそのものだということだった。実に面白い考え方でもある。

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「結びつかないものを結びつけてみよう」という発想をすればいい。
佐藤可士和の新しいルールづくり」佐藤可士和齋藤孝著より。
(前日のつづき)
アイディアを生むための一つの発想方法として、「結びつかないものを結びつける」というのがあった。ここでも関数の考え方が生きてくる。具体例が面白くてわかりやすい。
たとえばカラオケボックスなら、y=f(x)の「f」がボックスで、ボックス化して面白いものは何かと発想していって、そこにカラオケを入れたらできたものだと齋藤氏は語っている。
つまり「何々化」ということでもあった。「ミニチュア化」「リバーシブル化」など、「何々化」を考えるとアイディアは出やすいようだ。
氏はさらに、面白い例をあげていた。ガリガリ君をfとしてxにポータージュ味を入れたら、「ガリガリ君ポタージュ味」が出来たという。しかもそれがすごい売れ行きだったとか。
すると、佐藤氏はAKBも関数化して成功した例だと気づいたようだ。そこに地名を入れることで、AKT,JKT…などいくらでも戦略的なシステムが確立していたからだ。

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言い訳をしていると、どんどん人間の器が小さくなる。
「継続は、だれも裏切らない」内藤誼人著より。
ここでの小タイトルには“言い訳を自分に許すな”とあった。ついつい言い訳を先に考えたりしてしまうこともある。たとえば、「これだけの不況じゃどうしょうもない」とか「親も頭が悪いから自分も悪いのはあたり前だ」など。
うまい言い訳が見つかるほど、努力もしなくなってしまうようだ。悪いのは、自分以外にあると思ってしまうこともある。
いずれにしても、何でも言い訳をするのが当たり前になってしまうと、諦めも早いことだろう。「どうせ〜」と思った時点で、もう人の器は小さくなっているのかもしれない。
しばしば、「みんなが〜と言ってるから」などと自分のことは棚に上げて、自分で判断せず言い訳する人がいる。やはり自分の考えをまず述べず人をダシに使ううちは、やはり器が小さいと思わざるを得ない。
ものごとがうまくいかない時は、やはり自分の努力不足を認めねばならないようだ。何ごとも言い訳を考えるようでは、人にアピールするのも難しそうだな。

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まず行動せよ、やる気は後からついてくる。
「継続は、だれも裏切らない」内藤誼人著より。
実にシンプルでわかりやすいフレーズだ。内藤氏はある本からの対話を引用していた。「どうすれば、やる気が出ますか?」「売ることです」/「その売るためのエネルギーが出ないんですよ」「すぐにセールスに出かけることです。やる気は後からついてくるんです」と。
つまり頭の中であれこれと思い悩むよりも先に、身体を動かしてしまえというアドバイスをしていたのだ。日本語でのことわざにも「案ずるより産むがやすし」というのがあった。
「やる気」が先にあって「行動」があるというのが理想だろうが、いつもそういうわけにはいかないものだ。むしろどうやってやる気を引き出したらいいかを考えてしまうほうが多そうだ。
行動を先にやってしまうことで。「やる気」も出てくるというのも本当だった。というのも、感情は行動の後に引っ張られるようにして出てくることもあるからだった。
たとえば、庭の草むしりもやる前は面倒だが、いったん始めると、ついついもっと別の場所までやりたくなってしまうことがある。これも、同じような理屈かもしれない。