時間制限がない作業において段取りがよくなるはずはない。

「段取り力」齋藤孝著より。
なにかをする際には納期ということを念頭におくことは大切だという。いつまでに終わらせなければいけない、という期限があるからこそ改善も可能になるのだった。
段取りを組むためにはまずは、上手な時間制限を設けるというのがポイントのようだ。時間制限の中でできれば、余裕が生まれてエネルギーを別の活動にも注げるということもあった。
日々の生活でも、いつまでに仕上げようと思わなければ、なかなかスタートもできないものだ。頭の中だけで、いずれそのうち、と考えているうちは何ごとも進まない。
作家も締め切りがあるからこそ、作品を仕上げることができる。納期のない仕事などないのが当たり前だろう。むしろ自分で時間制限を作ることを生活の中で習慣化することも必要だと思われる。

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今までの常識を疑ってかかることから突破口が開ける・・・
「段取り力」齋藤孝著より。
コストパーフォーマンスも段取りを組む上では重要な考えだった。コストパーフォーマンスとは、実際にあげた結果・高価のことだった。非常に安いコストで中の上程度のものを得られればいいという考え方でもあった。
トヨタ式改善」では、原価を10%または20%カットという考えではなく、最初から2分の1に設定してしまうことだった。そうするためには根本から考え直さなくてはならなくなる。
松下幸之助は「半値にすると考えてみたらどうや」と言ったらしい。半値となれば簡単にはできない。すると常識を疑って考えるしかなくなってしまう。段取りを考える場合、その原動力となるモチベーションはむしろ極端なほうがいいのだった。
これには同感だった。かつて自分も営業の現場で活動をしていたとき、新規開拓目標を6件と設定されていたことがあった。しかし、私は同じ期間でその5,6倍を達成するためにはどうするかを考えたことがあった。
そして、独自の方法を考えて実行したことがあった。その成果として結果的に、実に6倍以上の成果を残すことができ、自分のノウハウとして確立できたことがあった。
その後そのノウハウを後輩に伝授したのだが、思うようには成果があがってない。やはり自分で創意工夫して少しずつ結果をだしてこそ、モチベーションは上がるのかもしれないな・・・

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「段取り力」とは手作業という意味合い以上に、イメージトレーニングの側面が強い・・・
「段取り力」齋藤孝著より。
筆者が優れた「段取り力」の持ち主の一人として考えていたのが建築家の安藤忠雄氏だった。19歳の一年間は外に出ないで、朝の9時から次の日の朝4時までいろいろなことを学び、大学4年分の勉強を独学で1年で終えたというからその集中力には驚きだ。
その後設計のアルバイト代をためて、海外に出かけたのだ。一日15時間ひたすら歩きながら、一つの建築を見たらその建築物のことをずっと考えながら歩き続けたという。
一日50キロ近くを歩きながら、建築について考え続けたのだ。歩きながら考えられるのもすごい。頭の中で建築を考えるトレーニングをやって、段取り力が鍛えられたのだった。
出来上がりから、そのプロセスをイメージできるということは、建築家としてのセンスでもあるのだろう。こうなったら、こうなると頭の中で考えられるのは日々のトレーニングがあったからに違いない。

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