常識の三分の一以下の期間を「納期」とする。

「加速力で成功をつかめ!」齋藤孝著より。
数冊の本を同時並行で読んでいるため、何日か前にもこの本からのフレーズを取り上げたが、読み進むうちにインパクトがある個所があったので、再び取り上げてみたい。
それが上記フレーズで、齋藤氏自身の経験から語っているものだった。氏がまだ知名度がないころ、たまたまある新聞社から一本の原稿執筆依頼をされたのだ。その時は締め切りはあってないようなものだった。
しかし、その原稿をなんと!二日後に上げたという。当然ながら担当者は驚きつつも、すぐに掲載してくれたのだ。するとそれを見た出版社からも執筆の依頼があり、締め切りは数カ月後との話だったが、それも1ケ月で書き上げたという。
氏の若い頃のモットーは、依頼された仕事はけっして断らないことと、納期を通常の三分の一にすることだったようだ。これも実力と自信があるからこそできる技なのだろうな。
結果として、これを守っているうちに仕事が止まらなくなったと振り返る。加速力を印象づけるには、相手を驚かせることが必要だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
自分の中で勝手にライバルをつくってみる。
「加速力で成功をつかめ!」齋藤孝著より。
やらねばならないとわかっていても、なかなか仕事に取り掛かれないことがある。そんな時は、たとえば職場の同僚や友人知人あるいは雑誌で見かけるビジネスマンなど、誰でも意識するのもいいようだ。
つまり自分のなかに具体的な目標をつくるということだった。ある意味ライバルとも考えられるが、さらにその人を乗り越える、さらにいいものを作り上げると考えるのもよさそうだ。
そうすることで、パワーが生まれれば儲けものではないだろうか。筆者はおもしろいことを言っている。人類が宇宙に行けるようになったのも、米ソの冷戦のおかげだと。
まあ、お互いに切磋琢磨したといえるのだろう。刺激を受けたからこそ、進歩したといえるようだ。日々の仕事でも、自分勝手なライバルのような何か刺激を設定することで、加速力が増すに違いないな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私淑のいいところは、とにかく師を勝手に選べること。
「加速力で成功をつかめ!」齋藤孝著より。
ふだんほとんど、「私淑」などという言葉にはなじみがない。だからこそ気になった部分でもあった。この意味は「ひそかに、よしとする」ということだという。
直接教えを受ければ、「師事」ということになるが、「私淑」は直接習いようもない人から、師弟関係を想定して学べるのだった。
どんな歴史上の人物でも、今生きている有名人でも勝手に選んで、勝手に学ぶことができるというから、便利でもありそうだ。
というのも、身近にいる人物で優れた人を見つけるのはそうそう容易ではないから、自分がこれと思う人物を私淑したほうが効率的ともいえそうだ。
しかも人間関係のわずらわしさもないから、なおいいのだろう。また先方にも迷惑をかけなくて済む。また、入れ替えも自由だった。
齋藤氏自身は一時期、兼好法師古今亭志ん生に私淑していたという。実に意外な感じもするが、なんとなく納得もできる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・