「相手に話しかける」という意識をしっかり持つ・・・

「信頼は、つくれる」草野仁著より。
サブタイトルは、“なぜ草野仁は、長寿番組の司会者であり続けられるのか?”となっていた。長寿番組とは氏が司会を務める『世界ふしぎ発見』のことで、もう27年も続いている。
私も時どきこの番組を見ることはあるが、ついついその内容の面白さに引きこまれてしまう。つまり長年にわたって視聴率がとれているということは、番組への信頼が高いともいえるのだろう。それは当然司会者の力も大きいはずだ。
この章のタイトルは「言葉と信頼」だったが、相手に伝わる話し方について述べられていた。そこで大事なのはテクニックよりむしろ相手に話しかけることだということだった。
そのポイントは、話す内容を暗記せず、ポイントを押さえることを勧めている。プレゼンなら、商品のアピールポイントはどこか、他社との違い、相手へのメリットを事前にしっかりと確認することだった。

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当たり前にしてしまえば辛くない。
「信頼は、つくれる」草野仁著より。
これは第二章「プロ意識と信頼」ということについて述べられている部分にあったものだった。人から見れば、実に大変そうに見えることでも、それをしている本人にとっては、当然なことも多い。
かつて草野氏が競馬の武豊騎手と話をした時のこと、毎日早朝からの準備やトレーニングについて、やらねばならないことがあるから大変な仕事だと思ったと述べた時だった。
武騎手は怪訝そうな顔をして、一度もそんなことを思ったことはないと答えたのだった。それはもともと憧れて就いた仕事だったから、人から見てどんな苦労なことも当たり前のことだったのだ。
「やらなくちゃいけない」、「努力」なんて言葉をつけてしまった瞬間にそれが重荷になると思うと答えていた。確かに自ら進んでやっていることなら、苦労など感じないものだろう。
面倒だと思えることも、日課にしてしまうことで、当たり前にできる。しかも、もしそれが趣味だったら、準備やトレーミングは楽しみでさえある。普段は寝坊でも、ゴルフや旅行なら早起きは進んでできるものだ。

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そもそも人はいろいろと複合的な才能をもっているものだ・・・
「信頼は、つくれる」草野仁著より。
まずは草野氏自身の経験が述べられていた。もともとNHKに入社した際は、記者に適性があると思っていたにもかかわらず、アナウンサーとして喋る仕事をせよと言われたことだった。
その頃は人前で喋ることなどとても無理で、適性などないと思っていたそうだ。ところが、もう数十年もその仕事を続けられているということは、結果的に適性があったということだと振り返っている。
そんな経験から、人は一つだけの才能に限らないと感じたそうだ。次にはプロ野球広島東洋カープの選手について触れていた。広島の初優勝は1975年だった。その頃の中心選手といえば、山本と衣笠だろう。
ところが、その年のシーズンに関しては、優勝に貢献した選手がいたのだった。それはドジャースから来たホプキンスだった。本塁打33本(山本30本、衣笠21本)、打点91(山本84本、衣笠71本)、打率は高くはなかったが、優勝に貢献していたのだ。
数年後引退して、医科大学に入学して、現在でも整形外科医として活躍しているという。実に驚くべき転身にも思える。父親が家具職人で、腰を痛めて苦労した姿を見ていたので、整形外科医になる夢を抱いていたという。
そして、スポーツも万能でメジャーリーガーとなり、日本のプロ野球選手になっても、必ず医学書を読んで勉強していたという。努力できるということも実に大きな才能でもあったようだ。

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言われないことも自らやる。
「信頼は、つくれる」草野仁著より。
仕事をする際にも、ただ単に言われたことや決まったことだけをやっているのでは、面白くもない。たとえ結果的に同じでも、そこにはやりがいもあまりないのではないだろうか。
私自身の経験からしても、人と同じやり方では満足できなったものだ。そこに自分らしさがあるやり方で結果を出したかった。マニュアルとは違った方法で、いろいろと試行錯誤しながらやることで、自分なりのノウハウをつかむことは楽しいことだった。
仕事ではもっとこういうふうにすれば、異なる結果が出るだろうという予測も面白い。そして、その結果が出れば、人に新しいノウハウとして伝えることもできる。
誰でも一生懸命に仕事をやることはできる。しかし、それだけではやりがいも面白味も少なそうだ。むしろ言われないことを、考えやってみることこそが、後になってみるといい思い出になっている。

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質問の仕方が本当に上手な人は、質問の形をとらない。
「いい質問は、人を動かす。」中谷彰宏著より。
話がはずまないときは、質問が悪いことが原因でもあるらしい。確かにどうでもいいつまらない質問をされれば、いい加減な返事でもいいだろうと思ってしまうものだ。
つまり質問自体がいいコミュニケーションになっているかどうかがポイントのような気もする。コミュニケーションがヘタな人は、答えにくい質問をするようだ。
かつての人気TVドラマの古畑任三郎は、質問の形をとらないで質問をしていたのだった。ストレートな質問ではなく、遠まわしに聞くことにしていた。すると相手のガードが緩むからでもあった。
相手の趣味を聞く場合も、まず自分のことを語るのだった。「最近ハマっているものだあるんですよ」と話し始める。もし、相手も関心があれば、話始めるという。
またく異なる趣味の話が出てくるかもしれない。ポイントは趣味という言葉を「ハマっていること」に置き換えていることだった。また質問をしないで、自分が語ることで、相手にも話させることだった。

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マーケティング力は、質問力・・・
「いい質問は、人を動かす。」中谷彰宏著より。
マーケティングにはしばしばアンケートというものがつきものだ。その集計結果によって、それを商品化したり新しいサービスを生み出したりする資料にしている。
私も何度か街中でアンケート調査に協力して、(実は粗品がもらいたくて)答えたことがある。その質問の答えは選ぶものが多く、「満足」「やや満足」「普通」「やや満足してない」「どちらともいえない」などが並んでいる。
なかなかはっきり答えられない質問も多いものだ。その時の気分でも答えは変わってしまうかもしれない。そんないい加減な集計結果で新製品ができてしまうのだろうかと思ってしまう。
実際の仕事でもデータを元に、集計をして営業方針などを決めてしまうことはよくある。こうすれば必ず売上げは増えるはず、と思って計画を練るのだろうが、まったくその通りにうまく運んだことはない。
それは、現場の意見をまったく聞かず、過去の数値だけを集計して出した計画だからだろう。はじめから効率的なことばかりを念頭に置いて計画すれば、実際に働いている営業マンの気持ちがわからなくて、失敗するものだ。

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ツッコミたくなるよなタイトル・・・
「いい質問は、人を動かす。」中谷彰宏著より。
しばしば本屋で本のタイトルを眺めていると、思わずツッコミたくなるような本がある。きっと編集者や筆者が読者の目を引くように考えているのだろう。
この本の筆者、中谷氏の著書にも多い。たとえば『不器用な人ほど成功する』『人は短所で愛される』『あなたに起こることはすべて正しい』『お金は使えば使うほど増える』などいろいろあっておもしろい。
それらが当たり前のタイトルなら目に留まらないだろう。逆にツッコミたくなるタイトルを見れば、“え、そうかななぁ”などと思いながら、手にしてしまったりする。
誰もが必ず、イエスやノーというタイトルは受けないという。むしろ、そういわれればそうかもしれないという部分に共感が生まれるそうだ。いいコミュニケーションはこんなところに技があるのかな・・・

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