大金持ちは働いて稼いだ人ではなく、お金に働かせて稼いだ人・・・

「年収崩壊」森永卓郎著より。
数年前の著作だったが、実に興味深い内容でもあった。お金持ちと言えば、一見スポーツや芸能界で華やかな世界の職業の人ばかりだと思いがちだが、そうでもなかった。彼らは全体の1%に過ぎなかったのだ。
企業経営者や医師などで半数近くを占めているらしい。お金持ちになるには、上場企業で出世するより、自分で起業して成功するか、親の企業を受け継いだ方がよかったようだ。
しかし、森永氏はそんな人が今のお金持ちの主流ではなくて、働いて稼ぐより、お金に働かせて稼いだ人のほうがお金持ちになっているという。
欧米ではお金持ちは働かないのが常識だったようで、日本でもそれに近づいているという。つまり株式投資で大儲けしたり、不動産の売買で利益をあげているのだろう。
そんな彼らはお金は使わないで増やすものだと考えているらしい。森永氏が彼らと話すと、その話題は節税とインサイダー取引と合コンの話ばかりで、文化を論じることはほとんどないようだ。つまり教養がなかったのだ。
まあ、庶民は健康でそこそこの幸せを感じながら生活できれば、よしとすればいいのだろうな・・・

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定年後の幸福を決めるのは、お金よりも生涯を通じてやることを持っているかどうかだ・・・
「年収崩壊」森永卓郎著より。
森永氏はシンクタンクの研究員時代に、多くの高齢者の方と話をした経験から、感じたのは上記フレーズにあげたことだったのだ。どんなことでも自分が生きがいを感じて、自分を必要としてくれる場を持つことだった。
森永氏はやりたいことをたくさん持っていた。その中でも一番大きいのがB級グッズのコレクションだった。ミニカー、グリコのおまけ、指人形、すごろく、コーラやお茶の空き缶、消費者金融ティッシュなどグッズの種類はなんと40種類にも及ぶという。
それだけのコレクションをするには当然ながら、かなりのスペースが必要だと思われる。どこにも売られていないようなモノを集めるのは面白そうだ。
人の評価よりも自分がまず面白ければそれでいいようだ。コレクターの感性だけがあればよかった。それでよかったと思うのは、気の置けない仲間が増えたことだったと語っていた。
同じものに愛着を感じるということは、同じ感性をもっているからだ、すぐに仲良くなれるらしい。やはり仲間がいればそれだけ楽しさも増すのだろうな。
どんなことでも、趣味を継続すればそれなりに、いいこともありそうだ。定年後の生きがいもそんなところにあるのだろうな。

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企画はサービスで、サービスは「思いやり」・・・
「社会を動かす企画術」小山薫堂編著より。
筆者はどんな仕事でも「企画=サービス=思いやり」が必要だと述べている。同じ仕事をやるににても、どうやったらもっと楽しく出来るかどうかを考えることも企画でありサービスでもあるらしい。
儲かるかどうかを考えるより先に、そのことでどれほどの人に感動を与えられるか、喜こばせられるかを考えるのも愉しいと思える。
実際に私自身も長年にわたって仕事を通じて同じようなことを考えてやってきたので、共感できることだった。どうせやるなら、どれだけ人と異なることができて、それでいいコミュニケーションが図れるかを考えたものだった。
そして、その効果があったを実感できたときは、それなりに充実感があるものだ。すべての人に歓迎されることは不可能だとしても、一部の人にだけは賞味期限が長い印象を残したいと思ったものだ。

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一番自分を動かすガソリンみたいなものは、人が喜んでくれるということ。
「社会を動かす企画術」小山薫堂編著より。
数年前に「おくりびと」という映画の脚本を筆者の小山氏が書いたことは記憶にある。そして、氏は自分のことを「贈りびと」とも語っていた。実にストレートで面白いと感じた次第。
単純に考えても、自分がしたことで人が喜んでくれればうれしいものだ。その反応がよいほど、さらにもっと何かしてあげたいと思ったりもする。
モノづくりの原動力はまさに、人の喜びが自分の喜びになることだったのだ。実際にそう感じられることをやってみれば、やりがいも感じられる。
常に人に喜んでもられることばかり考えているわけにもいかないが、自己満足だけの仕事ではやはり何かが物足りない感じもする。贈るものはちょっとしたモノだったり、サービスだったり、言葉だったりかな・・・