およそ仕事とは「戦い」である。

『使える!「孫子の兵法」』齋藤孝著より。
いま孫子と入力しようとしたら、いきなり“孫氏”と変換されて出てきた。そこで、たまたま思い出したのは、孫正義氏のことだった。ここにあげたフレーズそのもののように事業を拡大している。
これまでも大企業に戦いを挑み続け、買収を繰り返しながら扱い高を増やし続けている。実に貪欲につき進んでいることがうかがえる。
さて、仕事が戦いだと言われるとやや戸惑いそうだが、その気持ちを持ってやらなければ、逆に衰退してしまいそうだ。競争は同業界だけではなく、異業種もライバル関係になることはしばしばだ。
仕事では結果を出さなければ意味がない。その結果とはほとんど勝つこととイコールだったのだ。売上げも業界でのシェアも人気度もすべて戦いの結果になる。
テレビ番組なら視聴率が低迷すればスポンサーから打ち切られても仕方がない。またその番組への出演者も選ばれた人だけだ。常に仕事で戦って評価されることが、戦いに勝つことなのだろうな。

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「拙速」によって量をこなすことは、経験の蓄積にもつながる。
『使える!「孫子の兵法」』齋藤孝著より。
そもそも、孫武が世界最古の兵法書を書いたのは、およそ2500年前の「春秋時代」だったという。それは実戦の中から編み出されたものだからこそ現代でも通用するのだろう。
孫武はプロとして、「勝つこと」にのみ執着したという。ローリスクでハイリターンのか勝ち方にこだわったようだ。だから、戦う前に情報分析や、敵をかく乱させるということも必要だったのだ。
スポーツでも仕事でも勝ち負けにこだわるなら、あらゆる手段を使ってやるものだ。誰もがいかにしたら勝てるかのノウハウは知りたいものだ。
しかし、人が成功したからといって、同様にやってもそれが簡単に自分に通用するほど仕事は甘くない。そこでは、経験を積み重ねることがポイントでもあった。
数をこなすうちに質も向上するからだった。ここには「拙速」は「功速」になり得るともあった。仕事が速ければ、依頼も多くなり、上達も速まるということなのだろう。丁寧で遅い人には頼みにくいのかも。

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一緒に仕事をするのなら、できるだけ勢いのある人のほうがいい。
『使える!「孫子の兵法」』齋藤孝著より。
勢いがいい人はやはりスピード感もあると思われる。決断が速いと気持ちがいいものだ。その逆にのろのろ、だらだらしている人が周囲にいるといらつくものだ。
勢いがあるとは、ある意味積極性があるともいえそうだ。いろいろなことに前向きに立ち迎えるなら最高だ。また、勢いがある人には自然と人や仕事が集まってくるものらしい。
プロスポーツ選手を見ても、明るく勢いのある人は人気が高い。当然ながら高レベルの実績を伴っている選手ということが条件だろうが。
その実例として、現役時代のプロ野球選手だった長嶋茂雄やサッカーの(今はフットサル)の三浦知良選手などをあげていた。好き嫌いは別としてエネルギーを感じさせる選手といえるだろう。
単に決められたことやルールの範囲内で無難に、事務的に仕事をこなしているだけでは、そんなパワーは出てこないはず。やはり、つねに自ら努力創意工夫を積み重ねた結果だろうな。
そこで、人に一緒に仕事をしてもらうためには、自らがまず勢いのある人間になるということが、もっとも手っ取り早いそうだ。それを自覚してできるかどうか・・・