体力や知力と同じで、健康な感情には他人を引きつける力が秘められて

『なぜか「人の心をつかむ男」の共通点』弘兼憲史著より。
まずは“健康な感情”というフレーズもユニークな表現だった。これは、ありのままの自分を見せることに何の躊躇もしない人間が持っているもののようだ。素直に感情を表現し、かつ親しみやすさを兼ね備えている人間がいるらしい。
実に大物だとも思える。私などはそんな人間からはほど遠い。初めて会った時から、普段着の気楽さで接してくれるような人はきっと人の心をグッとつかんでしまうのだろう。
人の心をつかんでしまうような男は、いつも周囲の人に対して気持ちのよい感情で接してくれる人のようだ。自分の失敗談なども平気で人に話せるのはすごいと思える。
ついつい人と接する時に、かっこつけてしまいたくなるものだ。しかし、そうではなくて、誰にでも親近感を感じさせることができるなら、その人は“感情力”がある人とも言えるようだ。これも本人の努力次第だろうか。

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決して「頑張れ」とか「頑張ろう」とは言わない人間の周りに、人はなんとなく集まってしまう。
『なぜか「人の心をつかむ男」の共通点』弘兼憲史著より。
ここでのタイトルは、“こんな人の周りに人が集まる”となっていた。今までの経験からも、あまり人を強制的に動かそうとするような人やジコチュウの人の周りには人は集まってこない。
意外にものんびりマイペースでやっている人の周りには人が寄ってくるものだ。また何でもうまくやってしまう人よりも、失敗をしたりユーモラスな人には近づきたくなってしまう。
また、いつも慌ただしそうにがつがつと動き回っている人には近づきがたいものだ。やはり人柄で人は集まってくるのかもしれない。ゆとりのある人と親しくなりたいと思うものだ。
その人の地位よりもむしろ存在感がある人は忘れられない人だとも思える。人にプレッシャーを感じさせるような人の周りにも、人は集まってこないものだな。「頑張れ!」と言ったところで人の心はつかめないのだな。

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“土産物の達人”というのはたしかにいて、そういう人には自然に友人が集まってくる。
『なぜか「人の心をつかむ男」の共通点』弘兼憲史著より。
“土産物の達人”というのも実に面白い表現だった。そんな人には憧れる。まずは、マメであることが条件だろう。しかもそれを楽しめるというのも才能に近いのかもしれない。
マメさは人の前だけではなく、目の前に人がいなくてもできなくてはならないようだ。旅先であの人にあうだろうと思われるものを考え選ぶのが楽しいのだ。
しかも高価でないものほど、気楽に受け取ってもらえるのだ。相手にいかに負担を感じさせないで渡せるかがポイントだろう。渡す瞬間が愉快なのだ。
徒然草」にも、友としていいのは、「ものくるる人」というのもあった。受け取った人の喜ぶ顔が見たい、というのが土産の達人になるモティベーションになっているのだろうな。

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「楽しい」を人生のキーワードにしたい。
『なぜか「人の心をつかむ男」の共通点』弘兼憲史著より。
確かに楽しい時間を過ごせたときは、得した一日といえるのではないだろうか。楽しさには、感じがいい人と出会ったり、充実した仕事ができた実感したり、運動していい汗をかいた瞬間もある。
また、楽しく食事ができたことも、いい本や映画、芝居、美術また言葉に出会ったときなどもそうだろう。勉強がはかどったり、その結果がよかったときなども楽しく感じられる。
こう振り返ってみれば、楽しい時間はほとんど無数にあるはずだ。ところが、日々それを実感できず、ストレスを感じることもしばしばだ。そんな日は損をした日とも言えそうだ。
スポーツも仕事も勉強もそれなりの結果を出すためには、プレッシャーもある。しかし、そんなことさえも楽しめる人こそが、結果的に人の心をつかめるようだ。仕事も楽しめたもの勝ちだろう。