実績のない人間にチャンスが巡ってこないのは世の道理だ。

「仕事は頭でするな、身体でせよ!」久恒啓一著より。
どんな職場でも自分がやりたいと思っているような仕事はいきなりやらせてもらえるわけではない。むしろはじめのうちはつまらない雑用がメインではないだろうか。しかも、それをしっかりとやって、コツコツと努力を重ねて初めて次の仕事をさせてもらえる。
そんなことが重なることで信用が生まれてくる。久恒氏は、その信用をタマネギのように幾重にも重なって、信用の「玉」が大きくなっていくことが大事だという。これは実にわかりやすいたとえだ。その結果として、大きな仕事も任せられるようになったと述懐している。
何でもそこそこできるという人よりも、むしろこの仕事なら確実にこなせるという信用のおける人が求められるようだ。若いうちは、お金を貯めるより信用をコツコツと貯金したほうがいいらしい。
信用はある意味「タネ銭」だともいう。それがあってはじめて成果を出すスタートラインに立てるのだった。それは、氏の経験から、日々身体を使って貯めるものらしい。つまり頭を使うより先に身体を動かすことが大事だというこの本のテーマでもあるのだろう。

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自由は一種類ではない・・・
「仕事は頭でするな、身体でせよ!」久恒啓一著より。
漠然と自由といっても何のことかはわかりにくい。筆者は自由には大きく分けて3つあるという。1、経済的自由。2、時間的自由。3、精神的自由、だった。
これらを単純な言葉にすれば、金、時、心となる。ここでの自由とは、ある意味、「余裕」とも考えられそうだ。それらがバランスよく満たされてはじめて、本物の自由と呼べるという。
しかし、そんな人は実に恵まれた人なのだろう。若いうちは、時間はたっぷりあっても経済的な自由は確保されにくい。また、歳をとって金銭的に余裕ができた時には残り時間も少ない。もし金と時間の自由が確保でき、さらに精神的にも余裕があればいいのだが。
会社に属しているというだけで、心まで縛られてしまうのはもったいない。会社員だからといって、不自由ということはなかった。本当に仕事ができる人は、むしろ会社を利用して自由にやっていくことができる人でもあった。