お店で大事なのは、ビギナーをユーザーに変えていくサービス。

「しびれるブランドを作ろう」中谷彰宏著より。
その店のお客さんになるかどうかは、はじめの印象が大事だということでもあるだろう。初めて行ったお店で気持ちがいいサービスを受ければ、また次にも行きたいと思うものだ。
しかし、その逆の場合は、いくらその商品がブランドもので気に入っていても、同じようなモノならほかの店で買いたいと思ってしまうものだ。消費者は気まぐれなもので、初めの印象が悪ければ潜在的ユーザーを逃してしまうことになる。
誰でもそのブランドに対してはビギナーな時期があるものだが、お店にとってはそのお客さんをユーザーに変えられるかどうかが大事だったのだ。もともとヘビーユーザーはいるだろうが、ブランドが強くなるためには、ビギナーとヘビーユーザーの間のお客さんを増やすことがポイントでもあった。
もし、そのブランドが高級品といわれるものなら、若いお客さんが来店した時に、きっと買わないだろうと初めから見下してしまうと、悪い印象しか残らない。そう考えると将来のユーザーをつくることはそうそう簡単ではなさそうだ。

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修理に来ていただいて、初めて認めていただける。
「しびれるブランドを作ろう」中谷彰宏著より。
この直前には、「買っただけでは、認めてもらっていない」とあった。修理するほど使ってもらえるということは、その商品が気に入ってもらえているということでもあるだろう。
そのメーカーにとってはありがたいものだ。吉田カバンは「商品を販売した段階では完成度は70%」だと考えているようだ。カバンや靴が使われて、修理に出したときに完成すると考えていたのだ。
使っていてすぐに修理に出さなければならないような商品という意味ではなかった。長年使用しても、まだまだ修理して使いたいと思うようなものであれば、一流ブランドとも言えたのだ。
消費者の側からは、そういう考えはちょっと意外でもあった。なるほどとも思わせられる。しかし、メーカーからすれば、修理に持ち込まれた段階で、このお客様はユーザーになっていただけたと考えているようだ。
修理に来てもらえるお客様の数が多ければ、それだけ愛用者も多いと考えられる。修理に出したものが、まるで新品のようになって出来上がってくることは実にうれしいものだ。
メーカーからすれば、そのようなお客さんの喜ぶ顔が見えているのだろう。そもそも“しびれるようなブランド”はそこがしっかりとできているに違いない。

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みんな同じにするのは、不平等なサービスだ。
「しびれるブランドを作ろう」中谷彰宏著より。

高い商品を買うお客さんも、小物を初めて買うお客さんを比較して、まったく同じようなサービスはあり得ないものだ。雑誌の切り抜きを持って買いにくるようなお客さんもいるが、そのようなビギナーのお客さんには「バカにされない」ということで安心感が持てるのだろう。
一流といわれるブランドのショップに入るのは、やはりビギナーには敷居が高いとも思えるものだ。もうショップの入口に入るだけでもバカにされそうな気がするのではないだろうか。まず値札が気にかかるかもしれない。
そころが、そのブランドのヘビーユーザーであれば、別に何とも思わずに、どんどん店の奥まで入って商品を手にとって見られるものだ。それだけ自信があるということでもあるだろう。
そのブランドの常連のお客さんは、休日を避けて平日にゆっくり来店することが多いようだ。ゆっくりと商品を見て楽しみたいのだ。また販売員とのコミュニケーションを楽しめる余裕もある。
かつて、私の知り合いの方も、そんなひとりで、値札も見ないで一着で数十万円のジャケットを買ってしまうような人だった。そういうお客さんとビギナーではサービスが異なるのは当然だろうな。

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