どんな素晴らしい発見でも、発表しなければ、ノーベル賞はとれない・

「凡人の逆襲」神田昌典平秀信著より。
まずは、この本の背表紙の著者の部分で、神田氏はMBA役人崩れからカリスマコンサルタントへ、平氏は高卒現場監督から住宅業界の風雲児へ、とあった。本を読むと失敗を乗り越えて成功した経験も語られている。
実際会社から裏切られたり、リストラされたりしたときは辛かった時期もあり、自信を失ってしたとも語っている。しかし、そこから逆襲に転じて成功をものにしていたのだ。
成功はコンプレックスがばねになって得られるともいう。ある意味障害はマイナスではないとも考えていたのだ。障害を成功に変えるためには鍵があったのだ。それは今までの経験に市場価値を見出す技術、自分を売る技術が必要らしい。
これは、タイトルにあげたように、仕事の成果をしっかりと伝えなければ、その価値は伝わらないということでもあった。アイデアも、文字または図面にして表現しなければ、正しい評価を得られないとも考えられる。やはり消えてしまうような言葉では弱いのだろうな。

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怒りや不満のエネルギーが、爆発的な力を生む。
「凡人の逆襲」神田昌典平秀信著より。
これはなんとなくわかることだ。人に使われて仕事をしていれば誰にでも不満はあるだろうが、これを無理に抑え込む必要はないようだ。怒りを封印することにエネルギーを使うよりむしろ、そのエネルギーをどこに向けるかにエネルギーを使ったほうが賢かった。
たとえまじめに仕事をしていても、理不尽なことで怒りを感じることもあるものだ。実際、筆者が独立起業を果たしている人十数人に話を聞いてみると、「当時働いていた会社への不満、自分自身への怒りが独立へのエネルギーになった」と語ったそうだ。
せっかくエネルギーがわいたなら、いい方向に使うべきだろう。そのことで、ある意味充実した時間を過ごせるとも言えそうだ。しかし、ここで筆者は、怒りのエネルギーはいつまでも利用してはならないともアドバイスする。
作家の森村誠一氏も怨念のエネルギーを作家としての成功にうまく利用した人のように思える。森村氏自身もいろいろなエッセイなどで、サラリーマン時代に自分らしい仕事ができなかった思いから、その怒りのエネルギーを書くことにぶつけたと語っていたのを思いだす。

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「やりたいことを決めるにはまず、自分が絶対やりたくないことを決めた方がいい・・・」
「凡人の逆襲」神田昌典平秀信著より。
まず、神田と平が出会った時、神田はコンサルタントの先生で、平はその生徒という立場だった。お互いに学ぶことができ成長できたと振り返っている。その後よきライバルとして成長できる関係になったというからすごい。
平が独立する前に神田が彼にアドバイスしたのが、上記フレーズの言葉だったのだ。その理由は、そのほうがやりたいことがより明快になるからだった。
ところが、住宅業界の仕事をしているにもかかわらず、平のやりたくないことは、住宅営業だったのだ。それはイヤなお客さんに頭を下げるのが嫌いだったからだった。
中には値切るだけ値切って、最後にはクレームをつけて怒りだすようなお客さんがいることを経験してきたからだった。
しかし、家をつくったり、お客さんの喜ぶ顔を見るのは大好きだった。そこで、イヤなお客さんは断って、お願いするような営業はしないで済むようにすればいいと考えたのだ。
そして、そんな画期的な工務店をつくることにしたのだ。そんな非常識な発想で始めた会社は地元でナンバーワンの工務店となったという。当たり前の発想ではとても成長は望めないのだろう。

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動機を持っていると、積極的にアイデアを生み出す優れた人間に変身してしまう。
「凡人の逆襲」神田昌典平秀信著より。
ここでの小タイトルは、“凡人がトップ5%になるための条件”となっていた。平さんはサラリーマン生活を22年間していた。その後独立して住宅販売会社の社長になり、トップ5%になっているという。つまり成功したのだ。
この5%という考え方は、会社で100人の従業員がいたとして、5人だけが出世し、残りの95人がその出世の土台になっているという意味でもあった。年収1000万円以上が5人、残り95人が平均400万円ということだ。まあ、会社の役員のことを頭に思い描けばそんな感じかもしれない。
ビジネスもトップ5%に人のために、残り95%の凡人が汗水たらして働いているということになる。頭のいい人間は常にトップにいるのだろうか。筆者は成功するための動機はお金よりむしろ心意気だともいう。
「動機」とはここでは、「行動を決める直接の原因」だという。ただたんに儲けようとして仕事をするだけでは駄目だったのだ。その仕事を通じて、世の中にどんな大きな幸せをもたらそうと考えているかという意味でもあった。
平さんは「給料の少ない若い世代の夫婦でも買える、安くて、いい家を建てたい」というのが動機だった。ある意味ポリシーなのだろう。そう思えばこそ、決して手抜きはできない。
もし、メーカーの営業マンだったら、その商品を通じてお客さんが幸せや満足感を得られるかどうかをまず考えるべきなのだろう。安い価格でとりあえず売れればいいという考え方では長続きはしなそうだ。

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どんなにいい商品でも売れなければ宝の持ち腐れ。
「凡人の逆襲」神田昌典平秀信著より。
(前日のつづき)
ここでも、同じく凡人が成功するための条件について書かれていた。たとえその会社がいい商品を持っていようとも、売れなければ意味がない。一番理想的だと思えるのが、誰でも簡単に売れる商品であればいいのだが、そんなものはめったにないし、その寿命は短い。
できれば、普通の商品を欲しいというお客さんを集めることだった。そこで、売上げを上げるスキルは大きく2つあった。「1、お客を集めることができる。2、商品を売ることができる」だった。
どこのお店も集客のために、連日テレビ、ラジオでCMをし雑誌の広告を展開し新聞チラシに掲載している。それでも、苦戦しているところは多いようだ。たまたまその商品を欲しいと思っていなければ関心を持って見たりはしない。
集客力とセールス力はどちらかが、ゼロなら結果もゼロになってしまう。たとえお客さんが集まっても、売る力がなければゼロになる。このどちらもがうまくバランスが取れた時に結果として売れるのだろう。

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話のネタは、“珍しいもの”であれ。
「武器になる会話術」内藤誼人著より。
これは、この本の目次の始めの部分にあったタイトルの一つでもあった。そこでは、「料理では、食材7分、腕が3分といわれる。・・・」とあった。確かに腕がいい料理人でも食材がまずかったら、おいしい料理などできないだろう。
会話についても、同じことだった。話がうまくてもその話材が誰でも知っているようなことや価値のないものだったら、聞く気にはならないものだ。そこで、必要なのは「相手が知らないであろう新奇なネタを選ぶことだった。
また珍しいネタだからといって、自分勝手な解釈を加えたものも、人には納得してもらえないだろう。新鮮で珍しいと思われるネタを仕入れるには、たとえばマニアックな雑誌や、業界紙、深夜テレビ番組などがネタの宝庫だという。
筆者は心理学が専門ということで、海外の学会の会報誌を読んでいるため、誰も知らないネタを仕入れられるようだ。会話がうまくいかない、と思うときはやはりネタに自信がないときかもしれないな。

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苦手というのは高望みから生まれる。
「武器になる会話術」内藤誼人著より。
大きな夢を持つこと自体悪いことではないが、大きすぎる夢を持っていると落ち込むこともあるようだ。英語を話そうと思っても、流暢に話せないことがわかると苦手意識を持ってしまうだろう。
しかし、片言で挨拶程度できればいいのだと思っていれば、意外に気楽に話せたりするものだ。私も学生時代アルバイトでアメリカ人と話す機会があったが、勝手に自分は話せるものだという暗示をかけていた。
だからこそ、いい加減な英語でもやっていけたのだろうと思う。実際にそれほど難しい会話をしたわけではなかった。習うより慣れよ、という言葉も思い出す。
また一般的な会話でも、テレビのアナウンサーのような素晴らしいしゃべり方をしようと思えば、がっかりするだろう。むしろ、会話がヘタな人のほうが多いのだと考え比較するレベルを下げれば、苦手意識もなくなるようだ。

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相手と直接的に向かいあうよりも、そこにワンクッションはさむ・・・
「武器になる会話術」内藤誼人著より。
ここでは、話しやすい状況をつくることについて触れていた。まず、ある豆腐屋があ団地に売りにくるのだが、その際、かわいい子犬を車につなぐのだった。すると、仔犬につられて主婦も集まってくるという。豆腐屋のおじさんがそれを知ってるかどうかはわからないが、うまいやり方だと思える。
とはいっても、ありふれた見慣れた犬では大した効果も望めないのではないだろうか。やはり技として使うには、ある程度注目されるような種類であることが必要そうだ。会話も同様に、そこに何か話題になりそうなモノがあると話も弾みやすい。
ワンクッションになるようなモノがあれば、こちらから話題を提供しなくても、話しかけられるということもあるだろう。つまりそれは何らかの小道具を用意するということでもあった。
コミュニケーションのちょっとしたコツはそんなところにもありそうだ。変わったメモ、珍しいケータイストラップ、見たこともないようなボールペン、なども考えられる。
私個人的には、コミュニケーションのはじめは、「手作り」「オリジナル」がキーワードになっている。手作り品はオンリーワンにも通じる。またそれを継続すれば、独自のコミュニケーションスタイルを確立することもできるのだ。

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