「超二流」の生き方もまた人生である。

「人を動かす言葉の戦略」プレジデント編集部編より。
もとプロ野球監督三原脩は監督時代選手に一流でなくてもなにか自分にしかない特長を作れと言ったそうだ。それが超二流という考え方だった。
今では考えられないが、その方法で投手で首位打者である永淵洋三選手を生んだのだった。投手としては二流でも使えるところはあったのだ。漫画家の水島新司は彼をモデルに漫画「あぶさん」を描いていたのだった。
三原氏は「野球は盗みのスポーツだ」といっていた。つまり相手のスキをつくスポーツでもあったのだ。セオリーはあっても、それに縛られず相手の裏を賭けるかどうかもポイントだった。
こんな考え方は日々の仕事でも活かせるのではないだろうか。たとえば、営業ではそこそこでも、数字には強いとか、芸術的なセンスがあるなどは、どこかで相乗効果が生まれそうな気もするが。
また最近では野村元監督も「野球は頭でするものだ」とも語っていた。野村データ野球では相手をよく観察することが基本だったのだろう。そこから相手のクセを見破って結果を出そうというのだ。

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方法論で悩む前に、がむしゃらに数字を優先してみたらどうだろう。
「人を動かす言葉の戦略」プレジデント編集部編より。
またまた野球界の話題が続いてしまうが、「数字だけが永遠に残るのだ」と語っていたのは落合博満だった。残した結果だけがすべてだということらしい。
落合は「長嶋さんが記憶の人で、王さんが記録の人と言いが、そうじゃない。長嶋さんが記憶から消えないのは、すごいタイトルを取ったり、数字を残しているからだ。・・・」という。
誰も成し遂げたことのない三度の三冠王といえば、落合しかいない。一度達成するだけでも偉業なのに、それを成し遂げた彼の言葉には自信があるのだろう。
プロスポーツでは特に経過はまったく残らない。結果だけが残されていく。自身の経験から力強く言えることは、とにかく数字を優先してみることが何より大事なことだったのだ。
日々の仕事はどんなに達成感があってもすぐに消えてしまう。記録に残るような仕事ってなかなかできないものだろう。だから、年間の予算達成などは一時の自己満足でに過ぎないことがわかる。

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お客様の心理は、旅人と同じ・・・
「仕事を熱くする言葉」中谷彰宏著より。
お客様を旅人にたとえているところが意外に新鮮に思えた次第。一度着たお客さんが二度来てくれるかどうかは不確定なことだ。
もし、この程度のものか、と思われたらほかの店に行ってしまうことだろう。よほど立地条件、サービス、商品などが良くなければ、固定顧客を獲得するのは困難だろう。
しかし、そこで何かうれしいことがあれば、また来ようという気にもなる。価格以上に付加価値が大事だとも言える。旅で出会うさまざまな感動が、また行こうという気にさせる。
結局普通の、当たり前の、どこでもやっているようなサービスでは、不十分だと考えねばならないのだろう。どうがどう違うか、ということが分かって初めてお客様はその店の常顧客となるのだ。

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イデアは財布に入れる。
「仕事を熱くする言葉」中谷彰宏著より。
これだけだと、まだ内容が不十分で、思いついたアイデアを書いたメモ(用紙)を財布に入れておけば忘れることが少ないという意味だった。
つまりいつ何どき名案が浮かぶかわからないから、その場ですぐにメモすることが大事で、それを身近でわかりやすい場所にしまっておくことだった。
イデアはいいかげんに扱うと忘れてしまうから、大事な財布と一緒のほうがいいだろうという意味合いもありそうだ。これが習慣になればしめたものだ。
私はしばしば、アイデアというよりその日を含めてやらねばならないことをポストイットに書いて、それを定期入れに貼っておいたりする。買い物は忘れにくくなったかも。

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仕事のチャンスをもらうことに勝る報酬はない・・・
「仕事を熱くする言葉」中谷彰宏著より。
筆者は頑張ったから、一番好きなモノを、ごほうびにあげようとと神様に言われたら、お金、地位、名誉、休みよりも素晴らしい仕事だという。
頑張ったことに対する最大のごほうびは、次の素晴らしい仕事だといが、それは作家などには特にいえるのだろう。あるいは役者や芸人などひとりで働く人には言えそうだ。
仕事のチャンスをもらえることは本当にすばらしい。やりがいもあるだろう。とはいえ給料は度外視できないものだ。結局お金はその結果であって、そのためだけでは面白くもない。
素晴らしい仕事とはやりがいのある仕事であるだろう。それそが面白い仕事とも言えそうだ。そして、それが繰り返されれば充実した日々を過ごせそうだ。

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自分の趣味をティーチングに生かすように工夫すること。
「ハーバード白熱日本史教室」北川智子著より。
まず、米国の一流大学で日本の歴史を教えるこの女性は、高校でも大学でも理系だったというのが意外だ。もうこれだけでもインパクトを感じさせる。しかも1980年生まれというからまだ若い。また学生による授業評価投票でも人気が高くその賞まで受賞していた。
多忙とも思われるが、趣味にかける時間も人一倍長いという。それを授業に取り入れることで、クラスに自分のオリジナリティをつけて、自身でも楽しんでいるのが人気の秘密だそうだ。
趣味は、ピアノ、絵画(本人はお絵描きというが)、スケートと多彩だ。学生の前でピアノを弾くのではなく、聴覚を積極的に使わせるということらしい。お絵描きは絵で表現することを学ばせるためにも役立つようだ。スケートは大学時代ホッケーをしていたことで、身体をつかうことを授業に取り入れていたのだ。
実に自分の趣味と教室での授業をうまく連動させていることがわかる。思う存分自分の能力を発揮しながら仕事をしてる様はすごいことだと思える。やはり楽しんでこそいい仕事ができるのだろう。

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学生中心の「アクティブ・ラーニング」・・・
「ハーバード白熱日本史教室」北川智子著より。
こんな言葉は今まで聞いたことがなかったので気になった次第。一般的な授業風景は、学生は座って教授の講義を聴いているだけだろう。
しかし、北川さんのあるクラスでは、学生が自分たちで実際に試しながら学ぶという体験型教授法を取り入れていたのだ。ハーバード大学ではこのようなアクティブ・ラーニングが取り入れられるようになったらしい。
マイケル・サンデル先生の授業では、ただレクチャーするだけでなく、学生と会話をしながら話を進めるようだ。質問したりしながら、その過程を大事にするようだ。
たとえば、地図をかく、グループでプレゼンをする、パソコンを使ってラジオのパーソナリティを経験させる、パソコンソフトによる映画づくり、さらには作った映画の中に学生自身も登場させるなど実に多彩だ。
学生には実にクリエイティブな能力を要求してるようだが、面白そうでもある。体を通じて日本の歴史に興味を持たせようという試みはすごい。そんな講義を考えること自体がクリエイティブに思える。