言いたいことが相手に伝わったかどうかは話し手の責任。

「相鉄瓦版」平成24年6月1日発行より。
この号の特集は“ニッポン、良いトコ!変なトコ?”となっていて、外国人や海外通の日本人の目にニッポンの姿はどう映っているかということについてのインタビュー記事だった。
しばしば日本の常識が海外では非常識ということもいわれる。当然ながらその逆もありえるだろう。まあ、それは習慣の違いからくるものだからどちらが正しいとはいえないのだろうが。
タレントのダニエル・カールさんといえば、山形弁を話すアメリカ人としても知られている。実際山形に住んだのは3年ほどだったという。その後30年は東京暮らしだが、やはり山形弁には愛着があるらしい。逆に標準語になじめないというから不思議だ。
実に流暢な山形弁を話すので驚かされる。大阪弁や京都弁ならしばしばテレビで耳にすることはあるが、面白いことだが、むしろ山形弁は、このカールさん聞くことが多いのかもしれない。
フレーズにあげた言葉は関西に暮らしているアメリカ人が言った言葉でアメリカでの話らしいが、日本では、むしろ聞き手の責任のほうが多そうだ。日本語の会話では「察する」「腹を探る」「顔色をうかがう」ことが求められるからだった。
「以心伝心」などという意味の英語はないそうだ。せいぜい「テレパシー」があるが、そんなことが、日本語での会話では必要だという。そういえば、日本語は曖昧な言葉が多いかもしれないな。「いずれ、そのうち、おいおい」や「検討する」「善処しましょう」なども入るかな。

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「人がやることだから」と認め合うこと。
「相鉄瓦版」平成24年6月1日発行より。
芸能界きっての韓国通といわれる女優・エッセイストの黒田福美さんのインタビューがあった。その中でのワンフレーズだが、こう考えるのは韓国人のほうだった。
日本人と韓国人で大きく異なることの一つが仕事に取り組む姿勢だという。日本人は完璧主義で、何よりも結果を重視しがちだという。それに対して韓国人は、努力を重ねて最善を尽くすことを重んじるらしい。
そして、結果が良くなかった場合に発するのが「サラミ ハヌン イリニカ」つまりこれは「人がやることだから」という意味の言葉だった。「人がやることには間違うこともある」「最初から完ぺきにできるわけがない」といわれればそう頷くしかない。
完璧主義の日本人とこのような考えの韓国人が仕事をしたら、かなりトラブルが生じそうでもあるな。黒田さんは、両方の気質を足して2で割ったらバランスがいいのにと思っているそうだ。
国によっても個人によってもいろいろだから、難しいこともあるな。また時間の観念でも日本は実に正確だとも思える。乗り物などは海外ではかなりいい加減なところもあるが、日本は実に緻密にスケジュールができていると思われる。

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お金を払って料理を食べる場所である以上、ラーメン屋も高級レストランも関係ない。
「相鉄瓦版」平成24年6月1日発行より。
アメリカ人がつくるラーメンと聞いただけでも、そんな店が繁盛するのだろうかと思ってしまう。アイバン・オーキンさんはアメリカの四つ星レストランでシュフを務めた経験をもつラーメン屋さんだった。
しかも、アメリカ人という物珍しさやユニークさが売りではなく、本格的なラーメンとして評価されるものを目指して、成し遂げていた。
本当においしい正統派のラーメンだった。二本柱は「塩ラーメン」と「醤油ラーメン」だった。化学調味料は一切使ってない。麺はすべて自家製のほかいろいろなこだわりがあった。
そこで、オーキンさんが気になっていたのが、ラーメン屋の料理人やスタッフに無愛想な人が多かったことだった。どんな店であろうとホスピタリティは持っているべきだというのが当然だと考えていたのだ。
それは彼がニューヨークで働いていたフレンチ・レストランではオーナー・シェフは必ずお客さんのテーブルにいって挨拶していたからだった。やはり一流のところからは学べることも多そうだ。前提としては料理も美味しいのは当然だろうが。