フォローは、そのこと自体で売上げや得点につながらない。

「フォローの達人」中谷彰宏著より。
サブタイトルとして、“「また会いたい」とと言われる54の具体例”となっていた。確かに仕事でフォローをしてもらったり、したりということはしばしばだ。しっかりフォローしてもらった人にはお返ししなければとも思う。
フォローは「つなぎ」ということでもあった。それで次の仕事がスムーズにいけばうれしいものだ。ある意味メインではないオマケのようなものでもあった。
ここに意外な例があった。それはかつて荒川静香さんがやっていたイナバウアーだった。それ自体は、いくらやっても得点にはならない演技だった。またマニュアルにものっていないことだった。
このつなぎの技をやって失敗すればマイナス、うまくいってもプラスにはならなかった。でもそれをやることで彼女らしいオリジナルになっていた。自分の仕事の上でも、こんなことをやるのはあの人に違いないというようないいフォローを持っていたいものだ。
決まりやマニュアル通りにやってそれなりの成果を上げたとしても、決してフォローの達人にはなれなかった。またそれだけでは、始めにあげたこのサブタイトルのように、また会いたいと言われる人にはなれないようだ。

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フォローの品種改良をどれだけやっているでしょうか。
「フォローの達人」中谷彰宏著より。
実に面白い表現だと思った次第。品種改良といえば、動植物ばかりだと思っていたから、意外でもあった。この部分の最初のワンセンテンスは「フォローとは、たえまない品種改良の努力です」とある。
日本人が今食べている野菜や果物は、すべて品種改良されたものだった。そういえば、子どもの頃食べたリンゴは硬くて酸っぱかったのを思いだす。しかし、今では柔らかくて甘いものがほとんだ。
野菜や果物もすべて見栄えや味もどんどん向上していっている。その分素朴な味わいが失われているということも考えられるが。食べるものに限らず、身の周りのものはどんどん良くなっている。
いつも同じようなフォローの仕方ではなく、より良いものにしていくということも必要だったのだ。今すぐ売上げや成果に結びつかないようなサービスも工夫が必要なのだろうな。

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今まで言っていた否定・禁止・命令の言い方を、依頼・感謝・提案という形に変える。
「フォローの達人」中谷彰宏著より。
仕事上でなにか守るべきことがある場合、「違います、いけません、こうしてください」、というべきところをそのままストレートに注意してしまうとうまくいかない場合も出てくる。
それがお店の場合は、もう二度とこんな店には来たくないと思われてしまうものだ。一つの例があった。1、ここで携帯電話をかけないで下さい。2、かけてはいけないことになっています。3、すぐ切ってください。
こんな場合、「すみません。携帯電話のご使用はのちほどお願いできますか。」「ご協力ありがとうございます」「もしお急ぎの用でしたら、あちらのほうでしたらほかのお客様にご迷惑にならないので」とするといいようだ。
同じ内容でも、言い方で印象が変わってしまう。頼んで、感謝して、こうしたらという提案ができるかどうかがポイントだった。それにしても、まだまだケータイ電話を喫茶店の席で平気でかける人がいるのには、お客としても頭にくるな〜。店の人にちゃんと注意して欲しものだと思った次第。

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いつも相手が「初めて聞く情報」提供する。
「フォローの達人」中谷彰宏著より。
もしお客さん相手の仕事をしている場合、フォローの達人なら、そのつど新しい情報を提供しているという。ついつい同じような情報を提供してしまうのではないだろうか。
新しい情報をオマケとしてつけてあげるという発想も大事だった。その時は、必要ないと思われても、あとでそれが役立つかもしれない。またお客さんにとってオトク情報でもいいはず。
お客さんにとって初めての情報を提供するためには、それだけ自分も常に新しい情報を身につけておかねばならないということだろう。それがあればこそ提案もできる。
また話す相手によって、どんな情報が喜ばれるか、また価値があるかを判断しておかねばならない。フォローの達人はこれがしっかりできる人なのだろう。
つまり、人と同じことをくり返しているだけでは、そんな能力は身につくはずはない。時間をかけずには、何ごともスムーズはいかないものだな。