魅力があり、人の心をつかむことができるほは、スキが多い人・・・

「笑われた人が、ヒーローになれる」中谷彰宏著より。
この本の元の題名は「顰蹙のススメ」だった。たとえ読めても書くのは実に難しそうな漢字だ。目次を見れば、その題名だった理由もわかる。たとえば次のようになっていた。
第一章「正しいヒンシュクの買い方」。第二章「ヒンシュクモノが、時代を変える」。第三章「ヒンシュクモンが、成功する」。第四章「ヒンシュクモノが、夢を実現する」、というふうになっていた。
たまにヒンシュクという言葉を耳にすることはあるが、あまり深く考えたこともなかった。筆者はヒンシュクを買うということは、スキを見せることだという。意外に簡単そうだが、それを意識的にやるのは難しいのかもしれない。
たまに、同僚でもおバカなことやっているな、と思われる人は、多くの人に好かれている。また人望もあることもある。やはりある程度人からツッコまれるような人が友だちも多いのだろう。
逆にあまり完璧すぎるように見える人には近づきにくいものだ。自信があればこそ、スキを見せられるということも言えそうだ。よほど自信がないとヒンシュクを買うことはできない、というのも面白い考え方だと思った次第。

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ヒーローは成功した人ばかりではない・・・
「笑われた人が、ヒーローになれる」中谷彰宏著より。
ある意味成功した人はヒーローともいえるだろう。しかし、たとえ失敗をしたとしてもヒーローになれるという。むしろ、ここでのタイトルは「失敗したほうが、ヒーローになれる」とあった。
たとえば、失敗を恐れずチャレンジしていくことでも、ヒーローになれるのだった。それが結果的に失敗してもそれは価値があるということだろう。大リーグでは盗塁の確率が50%なら走ることにチャレンジするという。
もっといい例があった。かつて夏の甲子園高校野球で延長18回を戦い引き分け再試合で決着がついた松山商業三沢高校の試合だった。高校野球史上で名を残したのは、負けた三沢高校太田幸司投手だった。
まあ、これは負けたからということもよりも、もともと太田投手のほうがアイドル的な人気が高かかったからということも名を残した要素ではなかったろうか。いずれにしても、成功だけがヒーローになるとは限らないということだった。

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株と人生に成功するには、少数派に徹すること。
「笑われた人が、ヒーローになれる」中谷彰宏著より。
もし目立とうと思うなら、少数派にまわったほうがいいようだ。多数派の中ではうずもれてしまう。
面白いものを例に挙げていた。それは株だった。多数決に従っているうちは、株では儲からないという。みんなが売るときに買って、みんなが買うときに売るというの大原則だったのだ。みんなと同じようにして儲かる仕組みはなかったのだ。
筆者の経験から、人生も同じだという。権威がある人がある意見を言うとそれに引きずられてしまいやすい。決してそれがいいこととは限らない。逆に少数派に徹すればヒンシュクを買うのだ。ヒンシュクを買っていないということは、多数派に属していることでもあった。
別の例があった。それはファッションだ。雑誌で今年の個性的なファッションはこれだ、ということに敏感なら、多くの人が似たような服装を着ることになる。もうそれだけで個性的ではない。実に矛盾している。
多数派だから正しい、少数派だから間違っているということは決していえないのだ。かなり後になってみないと分からないことも多いはず。たとえヒンシュクを買っても、自分の信念をもっていたいもの。

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モラルは破っても、マナーは守る。
「笑われた人が、ヒーローになれる」中谷彰宏著より。
この二つの言葉について深く考えたことなどなかった。もともと私自身マナーはいい方だとは思ってはいなかったからでもあるが。まず、中谷氏は、ヒンシュクを買うということは、モラルを破ることだという。
そして、このモラルとは、多数派が信じている考え方だった。それは必ずしも正しいというわけでもなかったのだ。時代によってモラルの考え方も変わるからだ。
多数の人がそれが正しいと思えばそれがモラルになってしまう。その範囲に入っていればラクなことは確かだろう。しかし、その中に入ってしまうとマナーの意識が低くなってしまうらしい。
マナーとは礼儀のことで、人に迷惑はかけないということだった。しばしばマナーの悪い人を見かけるが、もしかしたら人から見たら自分もマナーは悪いのかもしれないな。気をつけねば。
ここでの結論はヒンシュクを買っても、マナーは守らなければならない。つまり「礼儀正しく、ヒンシュクを買おう」となっていた。できるかな・・・

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「器用」に、かつ「愚直」になる。
「笑われた人が、ヒーローになれる」中谷彰宏著より。
ヒンシュクを買う人には、2通りのタイプがあるらしい。それは、器用な人と愚直な人だった。今では多芸多才で器用な人の方が成功できるという。一芸に秀でるだけでなく、二芸、三芸の組み合わせが必要らしい。
そういえば、お笑いで成功した人は、司会や役者としてもうまくやっている。また全く別なスポーツや芸術面でも意外な才能を発揮したりしている。また役者さんでも優れた小説やエッセイを書く人も多い。
ま愚直とは逆に、職人芸のように一つのことを貫き通した人だった。人からは「あの人はつぶしがきかない」と言われるかもしれない。多数派からは否定されるような人だろう。
しかし、成功するためには、この二つの要素が必要らしい。器用貧乏とか、愚直すぎる人、要領の悪い人のほうが成功する場合が多いようだ。こんな人はしばしばヒンシュクを買っているようだが。

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友だちに対して、違う価値観をどれだけ提示していけるか・・・
「笑われた人が、ヒーローになれる」中谷彰宏著より。
いきなり次のようなやや刺激的な言葉があった。「ただのオヤジにならないようにするためには、居心地のいいネットワークから抜け出すこと」と。いつもの仲間といつもと同じような話ばかり繰り返しているというのはほとんど刺激がない。成長もなくただ歳をとっていくだけとなってしまう。
居心地のいいネットワークは同じような価値観の人が集まっているが、それだけでは良くないのだ。皆が同じ意見だというのも価値がない。賛同、同調だけでは盛り上がらない。「私もそう思う」というのは個人の意見としては弱すぎるな。
だからこそ、違う価値観を提示することも大事だったのだ。確かに議論は居心地はよくない。誰もが納得してくれるとは限らないからだ。新しい価値観を生み出すためにはそんなことも時には必要だったのだ。
やや関係ないが、同僚とランチに行って、みなが全く同じモノを注文したときほどつまらない。4、5人で行って、全員異なるものだったら、その場で現物見本を見られや味を聞くこともできる。そして次回は違うものを頼もうかという情報にもなる。

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