周囲の状況に応じて、自分をうまく演じ分けられる技能

自分をうまく演じ分けられる技能・・・

『なぜ、タモリさんは「人の懐」に入るのがうまいのか?』内藤誼人著より。
いつでもどんな時でも、一貫した人物がよいとは限らなかった。むしろ、その場の状況に応じて、カメレオンのように自分を変えてもよいという。このカメレオンという比喩が面白い。
心理学では、上記フレーズのような技能は「社会的スキル」と呼ぶらしい。まあ、こんな言葉は知らなくても、人間関係をうまくやっていくには、場の雰囲気によって自分を演じることが必要なことだった。
マジメは基本的にはいいことだが、マジメなだけの顔で宴会の席にいても盛り上がらないだろう。周囲からはつまらない人間だと思われてしまうかもしれない。
タモリさんは、状況によって、たとえば出演する番組によっていろいろな表情を見せてくれる。たんにお笑いタレントだけではないようだ。お笑いをメインにするときもあるし、知性派なタレントである顔も見せてくれる。実にバラエティ豊かだ。
「笑っていいとも」のインタビューでは、連日さまざまなゲストが盛り上がるような質問をしている。まったく苦手な人がいないくらい、どんな人とも会話を弾ませているのはすごい。話題の豊富さにも驚かされる。

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自虐的ユーモア。
『なぜ、タモリさんは「人の懐」に入るのがうまいのか?』内藤誼人著より。
ユーモアにはいくつか種類があるようだ。他人をからかうものや、自分を貶(おとし)めるタイプのものだ。
タモリさんは、後者がほとんどのようだ。自分をさり気なく低く見せるという話芸を身につけているようだ。こんなことも参考にすれば、コミュニケーションのヒントになりそうだ。
いずれにしても、自分を必要以上にカッコよくみせようとすれば失敗するものだ。自慢話は気持ちがいいかもしれないが、周囲からは嫌われるものだ。むしろドジぶりをアピールするほうがいいようだ。
一見知的な感じでも、ドジであると相手は安心して親しみを感じるはずだ。しかも自虐ネタは、話の後より、先に出した方がよいという。そういえば、人に話せる失敗談はそれほどもっているだろうか・・・

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人に抜きん出るコツは、「だれもやってない」ことをやること・・・
『なぜ、タモリさんは「人の懐」に入るのがうまいのか?』内藤誼人著より。
これはビジネスで成功するために重要なことだといわれる。つまり人が何かして成功したからといって、まねても駄目だということだろう。むしろ人がやってないことだからこそうまくいくこともあるようだ。
ただし、それに到達するまでが大変なことだとも思えるが。並みのことなら誰でも思いつくし、すでにやってしまっているからだ。あとはスピード感も大事だろう。
ここで「だれもやってない」というのは、番組で一緒に出ているタレントたちが騒いでいる時は、むしろ静かにしているような状態だった。違う表情をしていると逆に目立つようだ。
人と違うことをしていると、他の人とは違った存在として評価してもらえる、と内藤氏は語っている。「人の行く、裏に道あり、花の山」というスタイルもあるようだ。

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「やったことがないから面白そう」と考える思考習慣を身につける・・・
『なぜ、タモリさんは「人の懐」に入るのがうまいのか?』内藤誼人著より。